ちゃお!ネオコンです!
本日は、化粧品といえばこの企業、資生堂の2020年決算について解説させていただきます!
資生堂といえば、CMでも有名人が多数コラボして、私たち消費者にも身近な企業と言えますね!
こちらJUDY AND MARYのYUKIさんの資生堂ヌーヴのCM!可愛いですね〜
ネオコンは、実はJUDY AND MARYの大ファンで、YUKIさんのこの画像はぜひ資生堂の記事を書くときには載せたいな!って思っていたんです!

株式会社 資生堂 ヌーヴ
こちら私の大好きなバンド、JUDY AND MARYです。

JUDY AND MARY
一番大好きな曲”OVER DRIVE”です😆

JUDY AND MARY OVER DRIVE
すみません、大幅に脱線しました😂
話は戻って資生堂ですが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が一般化し、外出機会の激減で化粧品販売が大幅に落ちてしまい、資生堂の経営はかなりのインパクトを受けました。
航空業界のJAL、ANA、鉄道のJR東海、JR東日本といった企業が打撃を受けたわけですが、化粧品業界もこの負のインパクトを受けた業界に入ります。
それでは、定量的に、資生堂の2020年度の経営成績のレビューおよび来期の経営見通しについて一緒に見ていきましょう!

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資生堂 2020年12月期決算
過去4年間の重要経営指標の推移
まずは、ここ4年間の重要経営指標を振り返って、ざっくりと全体のイメージを視覚的に把握していただいた上で詳細の定量的パートをご説明させて頂きたいと思います。
ここ3年間、営業利益率は10%程度で推移しておりましたが、今季は1.6%と大幅な減益となりました。
ですので、EPSもかなり厳しいことが予想されます。
資生堂は2020年12月期に最終赤字に転落してしまったため、下記の通り、EPSはマイナス転落となります。
株主資本をどれだけ純利益に結びつけることができたかを示すROEについてもマイナス転落となります。ここ2年間は15%と非常に高い数字を記録していただけに残念です。
このように、資生堂にとって2020年12月期は非常に厳しい1年であったということを念頭に置きながら、次章から今期の経営成績を具体的に見ていきましょう!
損益計算書
資生堂の2020年12月期決算は、
営業利益150億円(前年差▲86.9%)
特別損益▲117億円(前年差-)
当期利益▲117億円(前年差-)
と赤字転落した非常に厳しい決算となりました。
確かに厳しい決算となりました。
この理由は、皆様ご存知の方も多いかと思いますが、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が一般化し、外出機会激減に伴う化粧品需要の蒸発です。
散々四半期決算ごとに言ってきたので今回スライドであえて言わなかったのでしょう。
しかし、直前の2020年11月に発表した最終見込みでは営業利益は▲100億円の赤字転落、最終利益は▲300億円の赤字ともっと厳しいものを想定しておりましたが、結果的にはそこまでには至らずに当期の経営成績を仕上げた形となります。
最終赤字は結果的に赤字になってしまいましたが、本業の営業利益では黒字を死守しました。
今期の営業活動実態を分析すべく、企業活動ベースで次の資料を見ていきましょう。
上記の通り、売上増の恩恵もあったようですが、+50億円ですし、残りの+200億円はコスト削減などの企業努力ですので、なんとかできるコストカットを徹底して最終見込みよりもプラスの利益で仕上げたということがわかりますね。
続きまして、今回の大赤字がグローバルでどのような形だったのかを見ていきましょう。
この大赤字の原因が新型コロナウイルスであることは申し上げた通りなのですが、下記の通りこの影響は特に米州と欧州で顕著に見受けられたとのことです。
特に米州についてはもともと高いコスト構造があるとのことで、売上の激減はそのまま高い損失を計上する構造であったため、今回大きく赤字が出てしまいました。
化粧品はテレビCMなどもともと消費者に知ってもらうべく広告宣伝費など売りためのコストをかける業界です。
売上が蒸発すれば真っ逆さまに赤字に転じるというのが今年如実に表れる結果となりました。
配当金
それでは、ここで株主還元についてです。
下記の通り、昨年の60円まで増配を続けておりましたが、一気に40円まで減配しました。
当たり前ですが、その他の経営指標についてもマイナスです。
経営成績総括および柔軟な対応の進捗
それでは今までは今年の経営成績が厳しいことを申し上げてきましたが、その中でもあった収穫について述べたいと思います。
2020年は、売上減で利益をとにかく創出しなければならない事態になったので、社内での構造改革がかなり推し進めることができました。
下記の通り、Eコマースの成長、ニーズに即応した短期間での商品開発・投入、コストコントロールの改善などです。
その中でもデジタルコミュニケーションの進化は成果として特に強調されております。
利益が取れない中でも製品では無いサービス、社内の見えざる資産を強化できたのは一番の財産です。
コロナ禍が収束した後、販売活動が全面的にできるようになった時に、このコロナ禍で蓄積したデジタルコミュニケーションのような見えざる資産を活用して製品を消費者に知らしめ、届ける仕組みができていれば今後の資生堂の経営には期待できます。
繰り返しにはなりますが、コロナ禍はアンコントローラブルな事象でしたが、その反面、きちんと社内の社内の見えざる資産を強化できたのは本当にプラスであったと思います。
資生堂 2020年12月期業績予想
損益計算書
資生堂の2021年12月期業績予想ですが、下記の市場前提を踏まえた上での数字となります。
あくまで、下期以降、緩やかに回復する前提で定量的な業績見通しは下記のようになっております。
資生堂の2021年12月期決算は、
営業利益350億円(前年差+134%)
特別損益▲10億円(前年差-)
当期利益115億円(前年差-)
と黒字転換を想定しております。
営業利益は来期は350億円となっております。
2019年度は1,138億円であったことを考えると、まだまだ1/3程度となっており利益回復には遠く及びませんが、数年かけて着々と業績回復に努めてほしいですね。
さて、それでは来期の経営状況を地域別に見ていきましょう。
売上高11,000億円を地域別にセグメント分けしたのが下記になります。
ここで重要な点なのですが、売上高ベースでは、2019年度の11,315億円とほぼ近い金額で回復していることがわかります。
では、なぜ、売上高がほぼ2019年度と同程度まで回復されるのになぜ、営業利益ベースでは1/3程度となってしまうのか、ここは検証してみなければなりません。
こちらが、営業利益を企業活動ベースで分けた図です。
売上増に伴う粗利益増・原価率改善で+1,565億円回復したものの、マーケティング投資、デジタル投資強化など未来への経営態勢強化の費用が計上されるため、営業利益350億円となるのです。
つまり、来期は売上高が同程度なのに営業利益が1/3になってしまうのは決して悲観することはではなく、マーケティング投資、デジタル投資強化など未来への経営態勢強化の費用が計上されるためです。
だから、来期の利益が凹むのは未来への戦略投資が織り込まれたポジティブなものと理解して良いでしょう。
配当金
それでは来期の配当金についてみておきましょう。
来期は売上高は2019年度水準に回帰し、最終黒字化するということもあって、前年差+10円の50円の配当が計画されております。
同じくコロナ禍で大打撃を受けたJR東海や、JR東日本は来期の配当金を前年同額と据え置くことを発表したのですが、資生堂は10円増配したあたり、やはり高く評価できるでしょう。
次世代ビジネスの育成
来期は10円増配されていることですし、明るい話題の一つとして次世代ビジネスの創出としてパーソナルケア合弁事業化が発表されました。
金融企業との合弁により、イノベーションの促進をさらに推し進めることが記されております。
先ほど、売上高はコロナ前の水準に戻ったが営業利益は1/3程度になる理由は戦略投資のための費用計上であるからと申し上げました。
このような投資案件にも費用が織り込まれているのでしょう。次のビジネスが見えている分、そこまで悲観的になる必要はない決算だと思います。
最後に
最後に資生堂の現在の株価を見ておきましょう。
(すでに2021年1Q決算を終えた後であることご承知ください)
現時点株価8,230円は過去5年間でみても高い水準に位置しております。
新型コロナウイルスが始まった直後は6,000円台にまで下落して危ぶまれましたが、この2020年12月決算が好意的に評価されたのか、その後は上昇したいい感じで伸びてきております。

いまだに株価が戻らない他社と異なり、資生堂は来期は未来への戦略投資的な費用計上を織り込んでも黒字化できている点と、増配を発表して、そこまで経営に不安が残されていないということもあって順調に推移してきているのでしょう。
以上、新型コロナウイルスでダメージを受けた代表企業は、航空、鉄道、化粧品ですが、その中の化粧品企業を代表する資生堂の決算分析をご報告させていただきました。
そこまで悲観的になる感じではないです、今期の経営成績に期待です!
後ほど1−3月の1Q決算についてもダッシュで分析でしてご報告申し上げます。
今回の報告は以上です。
またお会いしましょう!
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