信越化学工業は、近年は13年連続の増益を達成し、東証1部の化学メーカーの中で最大の時価総額を誇る、名実ともに日本一の化学メーカーです。
後述する通り、塩化ビニル樹脂、半導体シリコン、先端品フォトマスクブランクス、フェロモン製剤においては世界シェア首位のマーケットシェアを有します。
そして、東証1部の化学メーカーの中で唯一、TOPIX Core30の構成銘柄としても選出されている企業です。
とにかく全てが超一流である、日本一の最強化学メーカーが信越化学工業です。
今日はその信越化学工業の株価分析と今後の見通しについて分析していきます。
あらゆる製品で高いマーケットシェア 1960年代から海外進出
信越化学工業の強みを2点に絞って申し上げます。
高いマーケットシェア
信越化学工業派は以下の通り、世界シェアを有する製品が多数あります。
塩化ビニル樹脂、半導体シリコン、先端品フォトマスクブランクス、フェロモン製剤においては世界シェア首位のマーケットシェアを有します。
セルロースと、シリコーンに至っては日本一のシェアです。
複数の製品が圧倒的なマーケットシェアを有することが信越化学工業を日本屈指の化学メーカーに成長させたのですね。
1960年代から海外に進出
信越化学工業派は1960年代から海外に進出するほど先見の明を持った企業です。
この段階での海外進出は総合商社顔負けのアグレッシブさですし、信越化学工業以外の化学メーカーでここまで海外に進出した企業はいないでしょう。
その結果、海外進出から70年経過した昨今、海外拠点は20カ国、販売拠点は世界85カ国、海外売上高比率は70%となっております。
もはや日本の会社であるかどうかも怪しいほどグローバルな会社です。
昨今、少子高齢化による国内市場の縮小などといった経営課題に多くの日本企業が直面しております。
信越化学工業はそのような問題とは無縁ではないかと思わず考えてしまいます。
初の税引前利益4,000億円達成! 半導体シリコン事業の伸びが成長を牽引
下記は、2018年度の信越化学工業のセグメント別営業利益です。
信越化学工業派、2018年度に創業以来初となる、税引前利益4,000億円超を達成し、過去最高益を連続して更新しました。
ご覧の通り、過去5年間において、一貫して美しい右肩上がりの成長曲線を描いており、信越化学工業が、着実に利益を積み重ねていった軌跡が見て取れます。
営業利益は2015年3期の倍以上に成長しましたし、この成長を牽引したのは言うまでもなく半導体シリコン事業です。
その事業セグメントも過去から減益になることなく着実に成長して、信越化学工業が実に堅固な収益基盤を構築しているかがわかります。
すばらしいです。
完璧な財政状態
さて、続いては信越化学工業の財政状態を見てみましょう。
自己資本比率は過去5年間で約80%台を維持しております。
完璧です。
特に申し上げることはございません。
次の項目へ参りましょう。
1株あたり当期純利益も問題なし
さて、続いては信越化学工業の過去5年間の1株あたり当期純利益です。
これも営業利益の推移と正の相関関係にあり、着実に右肩上がりの利益成長を遂げております。
こちらも営業利益同様、2015年3期の倍以上に成長しておりますね。
問題ないです。
経営指標分析も最高成績
続いては、信越化学工業の経営効率性を自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)といった経営指標分析を通じてみていきましょう。
自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)はどれも右肩上がりですね。
特に、自己資本当期純利益率(ROE)が20%超えているので、経営効率性が著しく高いことがわかります。
この会社に弱点は存在するのでしょうか。
4年連続増配 株主としての恩恵はしっかりと享受できる
年間配当 金は、当社の歴史の中で最も高い一株当たり200円を公表しました。
続いては信越化学工業の過去10年間の配当実績をみていきましょう。
信越化学工業は堅実すぎるその企業体質のせいか、研究開発投資などを優先し、株主還元をあまり積極的に行ってこなかった背景がございます。
その結果、過去はずっと年間配当金は100円のままだったのですが、2018年度に過去最高益を連続して更新したのを背景に年間配当金を200円に増配しました。
(図は予定となっておりますが、実際に200円の配当は実施されました)
今後の信越化学工業の利益成長を考慮するともらえる配当金が楽しみですね。
株価はここ1年割高水準 下落した時に買うべし
信越化学工業の株価は2019年11月1日時点で12,030円となっています。
過去1年間を振り返ってみても、現在の株価が最も高い水準に位置していることがわかります。
しかし、この株価水準は、過去最高益を連続して更新した信越化学工業の絶好調な経営成績を考慮すると極めて妥当です。
なお、PERは現在16.03倍程度、PBRは1.97倍程度となっています。
PBRが1.0倍を超えているので、投資家からの期待は当然含まれた株価です。
100株を購入するのに、約120万円かかるのは躊躇されますが、これほど安定した株式銘柄も日本企業にはあまりないので敢えてお勧めさせていただきます。
なお、配当利回りは1.75%となっております。

まとめ
信越化学工業は、日本一の最強化学メーカーであることを財務分析を通じて報告してまいりました。
超一流の会社なので株価が高いのは当然ですし、そうでないと困ります。
ボーナスが入った時、長期的な資産形成の際には十分に購入検討の余地のある株式銘柄です。
何らかの株式市場の混乱時に、信越化学工業の株価が下落する時がありましたら是非とも購入ください。
以上、信越化学工業の株価分析と今後の見通しについての分析でした!
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