島津製作所は精密機器、計測器、医療機器、航空機器を製造する1875年に設立された京都発祥のメーカーです。
昨今、産業界が大きく変化している中、単なるモノづくりから、製品・サービス・アプリケーションを融合して新しいメーカーのあるべき姿を模索する老舗企業「島津製作所」に迫ります!!
「科学立国」の志は今も健在 伝統的な機器メーカー
1875年3月、創業者である初代島津源蔵が京都木屋町二条で教育用理化学器械の製造業を起こしたことから島津製作所の歴史は始まりました。
創業者である島津源蔵は、これからの日本の進むべき道は「科学立国である」との理想を打ち出し、外国製品に代わる国産の教育用理化学器械をつくり出し、日本の科学教育を支えました。
この「モノづくり」への熱意は現在の島津製作所へと脈々と受け継がれており、今後、ヘルスケア、インフラ、マテリアル、環境エネルギーといった次世代事業を展開していく原動力となっております。
計測機器が事業の核 その他の機器事業も育成中
下記は、2018年の島津製作所の営業利益のビジネスポートフォリオです。
ご覧の通り、営業収益ベースですと、計測機器が全体の75%以上を占めている形となっております。
今後は、医用機器、産業機器、航空機器などの他のビジネスポートフォリオの育成が急務となっております。

6年連続の増収増益 美しい右肩上がりの利益成長 営業利益率は10%超
それでは、島津製作所の近年の経営成績を見ていきましょう。
6年連続の増収増益となっており、売上高・営業利益・経常利益・純利益の全ての項目について4年連続で過去最高を更新しております。
文句ありません。
業績好調です。
中でも、成長を牽引しているのが、先ほど申し上げました通り、コア事業の「計測機器」事業です。
戦略機種である質量分析計が環境、食品安全向けに受領が拡大し増益となりました。
また、環境機器が、近年環境への意識が高まりつつある中国における水質モニタ―を中心に拡大したのが原因です。
また、その他の育成事業として挙げた「産業機器」事業は、セラミックス・超硬工具に向けの真空熱処理炉需要が拡大したことから販売増となりました。
これが、半導体市況の悪化の影響を受けて停滞したターボ分子ポンプをカバーし、最高益更新に貢献しました。
また、4年連続営業利益率10%超を維持しており、引き続き高収益性を堅持している点も高く評価できます。
当期純利益もきちんと右肩上がりに増加しておりますので、今後の島津製作所の経営成績にも期待できますね。
健全すぎる財政状態 現状非の打ち所無し
さて、続いては島津製作所の財政状態を見てみましょう。
この項目は飛ばしていただいても構いません。
なぜなら、健全そのものだからです。
自己資本比率も約65%程度を継続的に維持しており、有利子負債倍率については驚異の0.1倍以下で過去3年間推移しております。
財政状態についてはモノ申すことはございません。
健全です。
はい、次の項目に行きましょう(笑)

営業CS+、投資CF-、現金残高+!堅実なキャッシュマネジメント遂行中
さて、続いては島津製作所のキャッシュ・フロー計算書を見てみましょう。
先述した経営成績、財政状態と同様、結論から言って、キャッシュ・フローマネジメントについても問題ございません。
健全そのものです。
営業キャッシュ・フローは、過去3年間プラスなので問題なし
投資キャッシュ・フローは、過去3年間マイナスなので問題なし
フリー・キャッシュ・フローは過去3年間プラスなので問題なし
財務キャッシュ・フローは、過去3年間マイナスなので問題なし
現金等残高は過去3年間潤沢にあり、問題なし
以上から、島津製作所は安定的なキャッシュ・フロー経営をしていると言えます。

億円 | 営業CF | 投資CF | フリーCF | 財務CF | 現金等残高 |
2017年 | 296 | -123 | 173 | -73 | 528 |
2018年 | 412 | -111 | 301 | -79 | 751 |
2019年 | 295 | -229 | 66 | -108 | 708 |
1株当たり当期純利益は理想的な右肩上がり曲線 今後の成長も期待
それでは次に、島津製作所の資本政策についてみていきましょう。
1株当たり当期純利益は年々増加しております。
うーん、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローマネジメント、1株当たり当期純利益と様々な観点で島津製作所を分析してきましたが、いまだに弱点が見つかりませんね。
きちんと株主資本を利益化できているので問題ないかと思います。
島津製作所は、理想的な会社経営を行っていると言えます。
6年連続の増配 利益を株主に還元する優良企業
今まで申し上げてきました通り、島津製作所の経営は、現状ほぼ完璧と言えます。
その稼いだ利益をきちんと株主に還元しておりますので、こちらの図をご覧ください。
島津製作所は6年連続の増配を行っており、配当性向も年々増加し、株主に稼いだ会社の利益を還元する姿勢を垣間見ることができます。
もちろん、メーカーである以上、次世代ビジネスを創造するためにも研究開発投資は欠かせません。
今後は将来利益を担う研究開発投資とのバランスを取りながら理性的な株主還元政策を実行していくと宣言しておりますので、株主は安心して島津製作所の経営を見ていられますね。
なお、2019年の予想年間配当額は30円となっております。
6年連続の増収増益で市場評価は高く割高 しかし回復益狙いで買うのはアリ
島津製作所の株価は2019年10月31日時点で2,918円となっています。
6年連続の増収増益で完璧な、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローマネジメントを誇る島津製作所です。
ここ1年間で最高値となる2019年4月に記録した3,300円までの回復益を狙う余地は十分に残されていると言えます。
しかし、PERは現在26.43倍程度、PBRは3.00倍程度と市場からはやや高い評価を受けているので、若干割高な株価となっております。
なお、配当利回りは0.96%となっています。

まとめ
島津製作所は、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローマネジメントのどの観点から分析しても高く評価できる超優良企業銘柄です。
それゆえに、現在市場からは若干高い株価の評価を受けており、やや割高です。
しかし、1年間の株価推移を鑑みても、少なくとも2019年4月に記録した株価3,300円までの回復益はひとまず十分に狙えますので、買って損は無いかと思います。
超優良企業である島津製作所!
資産株として是非ともおすすめです!
当ブログさとり世代の株日記では、私がこれはイケるかも!?と思った企業の決算書を分析し今後の株価見通しについてのご報告をさせて頂いております🙇♀️
このようなファンダメンタル中心の企業分析ができるようになったのも、こちらの神図書2冊!!!があってのことです。
この本で財務分析に目覚めてから、、、、
この記事も書けるようになりましたし、自信を持って下記の記事にて財務会計について解説できるだけの実力がつきました!
是非ともオススメですので、財務会計を学んでから、ファンダメンタルを軸とした株式投資に挑戦して、令和時代を賢く堅実に資産形成を武器に勝ち残っていきましょう!!!
これでも難しい方は初心者用としてこちらがオススメです!!
今回もさとり世代の株日記をご覧くださり誠にありがとうございました🙇♀️
また次回の記事でお会いしましょうー!
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