ちゃお!ネオコンです!
本日は、大手電気機器メーカー、オムロンについて見ていきたいと思います!
オムロンと聞いて、一番に思いつくのが体温計です。私も子供の頃から実家で使っていた体温計はオムロン製です。
今回、オムロンを調べようと思ったきっかけは、日本電産、村田製作所などの電子部品業界が今絶好調でむちゃくちゃアツい業界だと聞き、財務的にはどうすごいのか興味をもっったからです。
京都に本社を有する有名企業オムロンの、2021年3月期および来期2022年3月期の経営見通しについて一緒に見ていきましょう!
オムロン 2020年度決算
発表のポイント
最初にざっくりと、昨今のオムロンの経営成績のイメージを掴んでいただくために、下記の決算発表のポイントを押さえておきましょう。
2020年度は、新型コロナウイルスの影響もあって色々大変だったと思いますが、+14%の増益や、4Qに入ってからの急激な業績回復について述べられております。
中華圏でのビジネスの好調についても述べられておりますね。
2021年度については、売上総利益率がさらに向上すると言うことと、増配が述べられており、両年度とも期待を持って詳細部分についてこれから見ていけそうですね。
損益計算書
次に、オムロンの経営成績について見てまいります。
オムロンの2020年度決算は、
営業利益625億円(前年比+14.1%)
当期純利益433億円(前年比+10.6%)
と2020年度は前年も、直前の見通しも大きく上回る非常に良い決算でした!
先ほど4Qの業績の急回復について言及しましたので、各事業セグメント毎の推移について見ていきたいと思います。
下記は売上高の3ヶ月移動平均ですが、3事業で急激な回復が見て取れます。
そして、こちらも先ほど申し上げました通り、地域ビジネス情報として、中華圏でのビジネス拡大に触れました。
欧州、東南アジア、中華圏で業績が回復しているのですが、特に中華圏での回復は+46%と顕著であることがわかります。
次にセグメントベースで2020年度の営業利益を振り返っていきたいと思います。
先ほどの売上高の3ヶ月移動平均で、唯一回復基調が見られなかった社会システム事業以外は前年および見通しを上回る結果を出しております。
素晴らしいです。
次に、企業活動ベースで営業利益の推移を見ていきましょう。
着目すべきは、販管費削減や、製造固定費削減といった固定費削減で222億円を節減しつつ、重点投資も行なった上で最終的な営業利益を625億円と前年比較プラスで仕上げている点です。
2020年度のオムロンの経営成績については特に言及すべき点がないですね。
順調そのものです。
貸借対照表
つづいて、財政状態を見て見ましょう。
もともと、健全すぎる財政状態を有するオムロンですが、自己資本比率は70%から74%へ上昇し、より一層税務基盤を強化することができたと言えます。
キャッシュ・フロー計算書
続いて、キャッシュ・フローですが、こちらも美しい仕上がりとなっております。
営業キャッシュ・フロープラス、投資キャッシュ・フローマイナス、財務キャッシュ・フローマイナスで期末現金残高もしっかりと+652億円積み上げて仕上げております。
先ほどのバランスシートで、オムロンは、負債残高が▲145億円減少しております。
負債残高が減っても現金残高が増えていると言うことは本業で稼いだキャッシュで期末現金残高を積み増していることを意味しますので、オムロンの業績の好調さがここでもわかります。
今期は新型コロナウイルスの影響で、JALやANA、JR東海やJR東日本といった日本の名だたる名門企業が事業存続のために借入金を調達して期末現金残高を積み増したのとは状況が全く異なりますね。
オムロン 長期ビジョン VG2020振り返りと 次期長期ビジョンの方向性
好調なオムロンの2020年度ですが、ここで一旦かことの比較を通じて、企業成長の軌跡を確認しておきましょう。
大きな収穫として、セグメント別売り上げ構成比率において、10年前と比べて2020年度の事業別売り上げポートフォリオで、ヘルスケアを第2の収益源に育成できたのが挙げられます。
この10年間を振り返ってみて、主力の制御機器事業の伸びもすごいですがが、ヘルスケア事業が営業利益ベースで3倍以上の成長を遂げたのは非常に高く評価できます。
そして、こちらがオムロンが特に大切にしている経営指標の一つである売上高総利益率の推移です。
この10年を通じて着実な進化を遂げてきたと言えるでしょう。
この10年間で筋肉質な経営体質に転換できたオムロンですが、来期の経営見通しはどのようになっているのでしょうか。
続いて見ていきましょう!
オムロン 2021年度計画
事業環境認識
まずは来期の経営計画に入る前に、その前提となる事業環境を確認しておきましょう。
下記の通り、来期は主力の制御機器事業を中心に、グローバル経済の回復が継続し、その中での事業展開になるとオムロンは読んでおります。
そういったグローバル経済の回復基調を背景とした上でのオムロンの2021年度3月の経営見通しは、
営業利益700億円(前年比+12.0%)
当期純利益480億円(前年比+10.8%)
と2021年度も営業利益も当期純利益も10%以上の増益を見込む力強い計画となっております!
次にこの好調な増益見通しを企業活動ベースで見ていきましょう。
着目すべき点は、前期と同様に重点投資をさらに増加させた上で、増益で着地すると計画している点です。
前年▲39億円だった重点投資をさらに▲86億円まで増加させているので、オムロンがさらなる企業成長のための投資を積極的に推し進めている姿勢が感じられます。
そして次に、セグメント別の営業利益の前年比較です。
前年苦戦した社会システム事業も含めて全事業部で前年を上回る計画を立てております。
うむ、素晴らしいですね!
株主還元
好調な来期の経営見通しを確認できたところで気になるのは、我々投資家に対する株主還元です。
オムロンは以下のような株主還元政策を掲げております。
配当性向30%およびDOE3%程度を目安として決定する、とのことです。
DOEを軸に株主還元を行う企業は、私が記事を書いた中ではダイキン工業がそうでした。
DOEは珍しいですね。
さて、そんな株主還元政策に基づいた上での来期の配当金ですが、前年+2円の86円を想定しております。
最後に
最後にオムロンの現在の株価を見ておきましょう。
過去5年間でオムロンの株価は約2倍の上昇を遂げております。
まぁこの経営成績を鑑みたら妥当ですね。

オムロンは2020年度も、来期も素晴らしいです。
経営成績、財政状態、キャッシュ・フローどれを取っても死角のない財務状況でした。
今後も当ブログでは四半期決算ごとにオムロンは重要チェック銘柄としてwatchしていく所存ですので、引き続き決算分析、報告をさせていただきます。
さすがは有名企業オムロン!
と言える良い決算でしたね!来期のオムロンの経営成績にも期待しながら本日はここまでとさせていただきます!
ありがとうございました!
今回の報告は以上です。
最近のコメント