ちゃお!ネオコンです!
本日は、DXでも有名なIT企業、シンクタンク野村総合研究所について見ていきたいと思います!
野村総合所といえば高い利益率で有名な会社ですし、今後の経済環境がますますデジタル化していく中で、着目されるDXを着実に推し進めている会社でもあります。
私もIT企業、シンクタンクの決算分析はあまり経験がないので、事前知識がなくて恐縮ですが、本稿で分析して読み解いていく中で皆様と一緒に学んでいけたらいいなと思います!
それでは早速、野村総合研究所の2021年3月期および来期2022年3月期の経営見通しについて一緒に見ていきましょう!

株式会社野村総合研究所
野村総合研究所 2021年3月期決算
決算のポイント
最初にざっくりと、2021年3月期の野村総合研究所の決算のポイントを押さえておきましょう。
下記の通り、売上高は増収、営業利益も増益と本業では前年を上回っていることが確認できます。
ビジネスでは、大型顧客向けDX案件が伸長したことが成果としてあげられております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
損益計算書
本業は増収増益というこの大まかな流れを抑えて上で損益計算書を見ていきましょう。
前年同期との比較ですが、先述致しました営業利益に加えて、経常利益、EPS、ROEは前年を上回っていることがわかります。
当期利益は減益となったのは、前期の2020年3月期の特別利益、投資有価証券売却益19,198百万円の反動です。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
前年に計上した特別利益が大きすぎただけでその反動なので、経常利益ベースで上回っているので、ほぼ前年以上のパフォーマンスを出したと理解して差し支えありません。
続いて、セグメント別損益について見ていきましょう。
2021年3月期は、産業ITソリューションズを除いて営業利益は増益となりました。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
産業ITソリューションズが減益となった理由につきましたは下記のように記されております。
産業ITソリューションズは、海外事業の採算性の悪化による減益となっております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
やはりこの産業ITソリューションズ事業のみ、営業利益率10%を切っておりますので、なんとか他の事業セグメント同様10%台に乗せられるよう、来期は修正してくることを期待したいです。
損益計算書部分の最後として、最後に連結損益計算書ハイライトを見ておきたいと思います。
先ほども申し上げました通り、経常利益までは増益です。
当期利益は減益となったのは、前期の2020年3月期の特別利益、投資有価証券売却益19,198百万円の反動です。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
キャッシュフロー計算書
続きまして、キャッシュフロー計算書を見ていきたいと思います。
2021年3月期は、営業キャッシュフロープラス、投資キャッシュフローマイナス、財務キャッシュフローマイナスの綺麗な形となっております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
昨年の投資キャッシュフローがプラスとなっておりますが、これは何度も申し上げている通り、2020年3月期の特別利益、投資有価証券売却益19,198百万円が大きくてプラスに転じているからです。
中期経営計画の成長戦略の進捗
さて、ここで中期経営計画の進捗についても一応触れておきましょう。
下記のような計画を打ち出しており、特にDX戦略は野村総合研究所の中でも核となる中核事業です。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
実際には、下記の通り、すでに定量的な利益計画も出されており、野村総合研究所の全社的な利益成長に大きく貢献する事業として今後も躍進していくことが期待されております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
野村総合研究所 2022年3月期通期業績予想
損益計算書
野村総合研究所の2022年3月期連結通期業績予想は、
営業利益960億円(前年差+152億円)
税引前利益970億円(前年差+259億円)
当期利益660億円(前年差+131億円)
と全ての損益項目で増益を計画しております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
素晴らしいと思います。
それでは、これらの具容積予想を事業セグメントベースで深掘りしてみましょう。
こちらは売上収益ベースでの前年との比較です。
ご覧の通り、前年唯一の減益となった産業ITソリューションも売り上げベースだと+13.4%の増益で全社的に前年を上回る計画です。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
そして、この2022年3月期が、当初中期経営計画で想定していた2020年3月期とのギャップを見ておきましょう。
残念ながら、中期経営計画で想定していた連結売上高、営業利益、海外売上高は全て届かぬ見通しが示されております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
しかし、前年よりも良い実績を出すという意味では、確実に進歩してきておりますので来期も野村総合研究所の業績に期待したいと思います。
研究開発
残念ながら、中期経営計画で計画していた2022年3月期には届かなかったものの、常に上を目指していく投資は行なっていることが下記からわかります。
左側に示された今期の研究開発テーマに基づき、右の棒グラフの通り、ここ数年間は順調に研究開発投資額を増やして事業開発の強化を行なっていることがわかります。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
財務戦略、株主還元
いよいよ、分析も終盤です。
株主還元政策も含めた野村総合研究所の財務戦略について見ておきましょう。
BSアセットの縮小、高いキャッシュフロー創出、DXといった積極投資が打ち出されておりますが、肝心要の株主還元策の配当性向については35%と書かれております。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
下記は先ほども出させて頂いた資料なのですが、来期は2円増配の年間38円の配当金を発表しております。
しかし、配当性向が34.9%と微妙に上記に掲げる35%に足りないんですね。

株式会社野村総合研究所 2021年3月期決算および2022年3月期業績見通し
細かいですけど、増収増益なんだから、こういう細かいところで端折るのは良くないと思います。
正直配当性向35%を掲げている以上、35%の配当を来期は期待したかったです。
期中のサプライズ増配発表に期待したいと思います。
最後に
最後に野村総合研究所の現在の株価を見ておきましょう。
過去5年間で野村総合研究所の株価は222%もの急成長を遂げております。
新型コロナウイルスが始まった2020年3月ごろは今後の業績の不透明さが如実になった売りが先行して一時は2,000円を切るあたりにまで下落したものの、4,000円に迫る勢いで伸びております。

昨今、どの企業でもDX推進と謳われている中で、DXを強みにもつ野村総合研究所の来期以降の経営が楽しみでないわけがありません。
これからの激変する経済社会で鍵となる技術を有している大手企業である以上、当ブログとしても戦略銘柄認定して今後も当ブログでは四半期決算ごとに決算分析、報告をさせていただく所存です。
野村総合研究所の来期以降が楽しみです!
ありがとうございました!
これで今回の報告は以上となります。
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