こんにちはーネオコンです!
さて、5月14日に、以前、超優良化学メーカーとしてご紹介いたしました日産化学の2020年度決算があったみたいなので、今回はこちらを解説させて頂きます!
2年も前で恐縮ですが、過去こちらの記事でご紹介させて頂きました。
過去数年にわたって、営業利益率15%超、ROE15%超、7年連続EPS増、7年連続自己株式取得など、知る人ぞ知る隠れた優良企業の最たる例こそがこの日産化学という会社です。
常にこのような高い水準の経営成績を残し続けるのは経営陣にとってはかなりプレッシャーのかかることですが、果たして2020年度の日産化学の業績はどうだったのでしょうか⁉︎
早速見ていきましょう!
日産化学 2020年度決算
2020年度経営成績
日産化学の2020年度の実績は、
売上高2,091億円(前年度+23億円、過去最高)
営業利益425億円(前年度+39億円、過去最高)
経常利益439億円(前年度+39億円、過去最高)
純利益335億円(前年度+27億円、過去最高)
経営指標4つ全て過去最高で笑いました!
前年比について、営業利益は、425億円と39億円の増益(前年同期比+10%)
機能性材料事業・化学品事業の増益が、農業化学品事業・医薬品事業の減益を大きく上回ったとのことですが、この事業セグメント毎の分析は後述致します。
純利益については、335億円と27億円の増益(前年同期比+9%)です。
◆その結果、コロナ禍にかかわらず営業利益・経常利益は7年連続、純利益は8年連続で過去最高益を更新した
◆ROEは17.5%となり、前年実績16.9%、2020年11月発表予想値16.6%を上回った(中計目標値16%以上)
コロナ禍でK字格差といって、増益した企業と、減益した企業との差が激しいのが2020年度決算の特徴ではございます。
利益が昨年並みであれば御の字という中、昨年マイナスでも仕方がないという情勢の中、またしても営業利益、経常利益、純利益の過去最高更新記録をあげて、かつROEも中期経営計画および11月の見込みを上回る結果を残すとは。。。
まぁ正直すごすぎてこの点については何も私から特に申し上げる点はございません。
2020年度株主還元
日産化学の2020年度の株主還元は、
配当は、昨年比+14年の増配を加味した104円です。(10年連続増配)
配当性向は前年44.9%に達し、さらに自己株式取得を行い、総還元性向は65.7%を超える
きちんと稼いだ分を株主に還元するという絵に描いたような会社です。
先ほども申し上げました通り、凄くて非の打ち所のない決算だと解説する点がないんですよね泣
2020年貸借対照表
次に日産化学の財政状態を表現する貸借対照表を見ていきましょう。
自己資本比率75%と全く問題ないですね。
期末のキャッシュも昨年より18億円増えて324億円と全く問題ないですね。
健全な財政状態が確認できたところで、なぜ日産化学はここまで強いのか、セグメント別営業利益を見て、その強さの源泉を探ってみましょう。
2020年セグメント別営業利益
日産化学のセグメント別営業利益ですが、全体の利益のほぼ半分ずつを機能性材料事業と農業化学品事業が占めていることがわかります。
2020年度に関してみると、農業化学品事業で前年差マイナスが出たのを機能性材料事業で補い、利益が小さいですが化学品事業のプラスもあって全体的に増益という形で仕上げたとみてとれます。

日産化学株式会社 2021年3月期 決算説明会 2020実績 セグメント別営業利益
機能性材料事業
機能性材料事業は過去10年にわたって、営業利益率20%を達成してきて、2020年度および2021年度の見通しは30%超を見通しております。
ディスプレイ材料では、タブレット、ノートPC向けが好調であったこと、
半導体材料では、顧客の稼働好調を受けて増収になったとのことです。
住友化学の分析の時に申し上げました通り、巣篭もり需要等で電子材料系の需要は高まりましたので、詳細は書かれていないものの、化学メーカーとして類似した恩恵は享受したように思えますね。
農業化学品事業
農業化学品事業もここ数年は営業利益30%に迫る勢いで利益をたたき台していた、日産化学にとって機能性材料事業と双璧をなす基幹事業です。
農業化学品に分類されるべきかわかりませんが、2014年に動物薬(ペット用外部寄生虫薬)を上市してから爆発的に伸びています。
ただ、2021年度は若干微減していって、機能性材料事業のようにいかないのが唯一気がかりな点です。
日産化学 2021年度業績予想
2021年度予想
日産化学の2021年度の業績予想は、下記の通り、
売上高は会計方針の変更により減少するものの、営業利益、経常利益、純利益でまたしても過去最高益を達成することを計画しております。
そして、更に昨年比+4円の増配を計画し、年間配当金108円を発表しました。(自己株式取得も行います)
営業利益・経常利益は8年連続、純利益は9年連続で過去最高益を更新する計画です。
そして、
10年連続の増配する計画です。
下記の通り、2021年度の売上高に貢献する将来の成長エンジン製品をあげており、158億円分の新規ビジネスが2021年度の計画に貢献する予定です。
日産化学 決算総括
2020年度の日産化学の決算の総括ですが、相変わらず素晴らしいの一言に尽きます。
コロナ禍という異常事態を物ともせず、売上高、営業利益、経常利益、純利益、増配の連続記録を更新するのは流石と言わざるを得ません。
隠れた名店、日産化学!
日本の化学メーカーの中でも知る人ぞ知るダークホース企業なので、就活生の方、投資対象の方、注目していて損はないと思います!
今回の分析は以上となります。
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