どうも!ネオコンです!
さて、いよいよ2021年度第1四半期決算の発表シーズンが到来しましたね!
私もこのシーズンになると毎日大量の企業の1Q決算分析記事を書かねばならないので大変です泣
ですが、決算分析職人としてこれが本業である以上、有難いことです!
優良企業の1Q決算を1社でも多く分析して皆様に御報告させて頂きます🙇♀️!!
さて、前置きが長くなりましたが、1Q決算祭りの第1弾として今回は昨日2020年度本決算の分析記事をリリースさせて頂きました日本電産について報告させて頂きます!
日本電産といって真っ先に思いつくのは、永守重信会長です!

日本電産株式会社 株主総会
そして、先日、創業者の永守重信会長がCEO=最高経営責任者の職を退いたことが報道され、この2021年度は関潤社長にバトンタッチして初めて臨む最初の年です!
ちなみに、
日本電産の2021年度見通しは、
営業利益1,800億円(前年差+)
税引前利益1,750億円(前年差+)
当期利益1,400億円(前年差+)
とまたしても増収増益の見通しを発表しております。
先日のオムロンの2020年度決算分析の記事でもご報告申し上げました通り、電子部品業界は2020年4Qからの爆益の影響を受けて今は結構熱い業界です🔥🔥🔥
さて、最初の四半期決算となる今回、日本電産は上記の業績予想を達成するための良いスタートを切ることができたのでしょうか?
それでは早速一緒に見ていきましょう!!
日本電産 2021年度第1四半期決算
四半期毎の経営成績の推移
最初にざっくりと、昨今の日本電産の経営成績のイメージを掴んでいただくために、下記の四半期毎の経営成績推移をご覧下さい!
右上の売上高、営業利益の推移では、2020年度2Qから4四半期連続で営業利益率10%を達成しており、今回の1Q決算は良いものではないかなと期待感を持つことができますね!
こういうプラス材料があるのではないかというざっくりとしたイメージを持った上で1Qの経営成績の詳細を見ていきましょう!
2021年度1Q決算ハイライト
大体の利益推移のイメージを持っていただいた上で、下記1Q決算ハイライトを押さえておきましょう。
端的に申し上げて、前年からの素晴らしい経営成績を踏襲した素晴らしいものとなっております!
下記の通り、売上高は過去最高を更新、営業利益は前年度比60.3%増の446億円を達成!!と非常に良い数字であったことがわかります。
そして、この1Qも営業利益率10%を達成し、4四半期連続の2桁営業利益率を達成しました!
損益計算書
それでは、日本電産の経営成績について細かくみていきましょう。
日本電産の2021年度1Q決算は、
営業利益446億円(前年差+60.3%)
税引前利益438億円(前年差+59.6%)
当期利益335億円(前年差+66.8%)
と先ほど決算ハイライトでご報告申し上げました通り、素晴らしいものでした!
2020年度通期決算を発表した際に、公表した2021年度の通期予想での当期利益は前述いたしました通り、1,400億円です。
今回の1Q当期利益が335億円ということは、達成率25%には達成しないものの、昨年も2,3,4Qに利益が偏っている日本電産のQ毎の利益構造を鑑みると良い進捗状況ではないかと考えます。
そもそも、前年1Qに対しては、営業利益で+60.3%の大幅増益ですからね。
早速、この前年に対して大幅利益増となった増減要因について解析していきましょう。
下記に昨年からの増減要因を示しました。
下記の通り、精密小型モータ事業で減益が発生するものの、それ以外は全て増益で仕上げて、営業利益が前年1Qでは278億円に対して、446億円という驚異的な進捗で1Qの営業利益を仕上げました。
続きまして、4四半期連続で営業利益率10%を超えているということで、直前四半期比での増減分析を下記にて行いました。
先ほどの前年1Q比較で減益となっていた精密小型モータ事業と、車載事業でマイナスが発生するものの、為替変動に恵まれた点と、構造改革費用の反動などもあって、営業利益が前年4Qでは445億円に対して、446億円というほぼ前年4Q時点の特需に恵まれた時と同額の営業利益を叩き出しました!
製品グループ別業績推移
続いて、製品別の業績推移についてみておきましょう!
こちらは製品グループ別の業績推移の表です。
先ほど20年4Qの営業利益が445億円に対して、今回1Qが446億円と横ばいであったことを申し上げました。
ここでは、最も大きな営業利益を創出しております「家電・商業・産業用」事業と先ほどの前年1Q分析と前年4Q分析でもビハインドとなった「精密小型モータ」事業について申し上げます!
下記の通り、「家電・商業・産業用」事業は売上高ベースでも日本電産最大の割合を占めていることがわかります。
「家電・商業・産業用」事業
「家電・商業・産業用」事業は2019年4Qを底としてそれ以降、増収増益を継続しており、今回は四半期で過去最高の営業利益を達成しました。
「精密小型モータ」事業
一方、前年1Q分析と前年4Q分析でもビハインドとなった「精密小型モータ」事業ですが、モビリティ関連や、ミニEV関連といった昨今新たに出現した新マーケットへの製品投入を行うべく事業ポートフォリオの転換を断行している中なので、若干本業の営業利益が減ってしまうのは仕方がないかと思います。
今ある既存の市場に注力するよりも、将来の大きな市場を狙ってそちらでのリターンが多く入ればこの転換策は成功となりますので、今の時点では見守るということで良いかと思います。
配当金とキャッシュ・フロー
続いて、配当金とキャッシュ・フローについてもみておきましょう。下記の下段をご覧下さい。
配当金
一株あたり利益も想定では、239円と前年差+31円となったのに、配当金は増配発表なく据え置きは昨年の通期決算の時も申し上げました通り、渋いなと思います。
1円くらいの増配はできるはずなのにと思ってしまいます。
キャッシュ・フロー
前年1Qと同様の営業キャッシュ・フローとなっており、投資キャッシュ・フローが前年と比べて若干減額されたため、フリー・キャッシュ・フローは黒字となっております。
中期戦略目標 Vision2020
最後に恒例の中期経営目標 Vision2020を確認しておきましょう!
今後も100年を超えて成長し続けるグローバル企業として進化を続けていくことが打ち出されておりますので、今後も高いレベルでの経営を期待しております!
しかし、1973年にたったの4人で操業してここまでの伝説の優良企業まで躍進するのって冷静にすごいですよね。
最後に
最後に日本電産の現在の株価を見ておきましょう。
過去20年間で日本電産の株価は急激に上昇しております。

若干5月中旬ごろ下落してものの、今回の1Q決算は数字自体は良かったので、来週の株式市場が始まってからマーケットがどのように評価するのか楽しみです。
非常高いレベルでの経営をしておりますので、もうちょっと頑張れるだろと思われれば下げますし、これは来週の株価を見てみないとわかりません。
2Qも営業利益率10%を達成して5四半期連続営業利益率10%を達成するでしょうか!?
今後も日本電産の経営から目が離せません!
ありがとうございました!
今回の報告は以上です。
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