ちゃお!ネオコンです!
いきなりですが、皆様は日系企業の中で有名な社長さんといえばどなたをご想像するでしょうか?
真っ先に思いつくのは、この方、日本電産の永守重信会長です!(下の写真左)

日本電産株式会社 株主総会
ご自身で今の日本電産を創業され、ここまで大きく成長させた敏腕社長です!
今回の株主総会の後に取締役会を開き、創業者の永守重信会長がCEO=最高経営責任者の職を退き、関潤社長に交代する人事を正式発表しました。
永守会長は関社長とともに記者会見し「後継者として私の上を行ってくれるのは彼しかいないと思う。私もサポートしながら二人三脚で取り組みたい」と発言されました。
新CEOの関社長は「日本で屈指の難しい引き継ぎだと思うが、売り上げ10兆円への成長に向けて取り組みたい」と述べました。
経営トップの刷新で、日本電産の躍進がますます期待されます。
ちなみに、2021年3月期の4Qは半導体業界が非常に好調であったとのことで、日本電産の業績もどうであったのか気になるところですね!
そんな中での日本電産の2021年3月期および来期2022年3月期の経営見通しについて一緒に見ていきましょう!
日本電産 2020年度決算
過去5年間の重要経営指標の推移
最初にざっくりと、昨今の日本電産の経営成績のイメージを掴んでいただくために、下記の過去5年間にわたる日本電産の連結販売台数、営業利益、営業利益率、当期利益についてご覧ください。
営業利益、純利益ベースで、前期の2019年度まで下降の一途をたどっており、厳しい経営環境となっておりましたが、今期2020年度にV時回復を遂げていることがわかりますね!
2年ぶりに営業利益も10%回帰です!
決算ハイライト
大体の利益推移のイメージを持っていただいた上で、決算ハイライトを押さえておきましょう。
端的に申し上げて、2020年度は素晴らしい決算となりました。
下記の通り、売上高は過去最高を更新、営業利益は前年度比増収増益を達成しました。
特に第4四半期は、年初から行なっていた収益率の改善活動が奏功し、3四半期連続の2桁営業利益立達成をし、通年営業利益率10%回帰につながりました。
損益計算書
それでは、日本電産の経営成績について細かくみていきましょう。
日本電産の2020年度決算は、
営業利益1,600億円(前年差+47.4%)
税引前利益1,530億円(前年差+45.5%)
当期利益1,220億円(前年差+108.7%)
と見事にV時回復を達成した見事な仕上がりとなりました。
それでは、本業の営業利益についての増減要因について解析していきましょう。
下記に昨年からの増減要因を示しました。
下記の通り、為替変動の影響が若干あるものの、ほとんどの事業セグメントで増益となっており、最終的な営業利益も1,600億円できちんと仕上がっております。
キャッシュ・フロー
続いて、キャッシュ・フローの推移についても確認しておきましょう。
営業キャッシュ・フロー及びフリー・キャッシュ・フローともに過去最高の積み上げとなり、キャッシュにかなりの余裕を残した形での仕上がりとなりました。
前年はM&A及び通常用途での投資キャッシュ・フローがかさんで、フリー・キャッシュ。フローがかなりの赤字となってしまいましたので、2020年度に昨年のリベンジとなるかのようにキャッシュを厚くできたのは非常に高く評価できます。
経営成績、キャッシュ・フローともに見てもかなり満足いく形でした。
それでは来期の日本電産の経営成績見通しは気になる所ではありますが、中期経営成績で描く2020年度と実績がどうであったかの検証をその前にしておきたいと思います!
中期戦略目標 Vision2020 の振り返り
全体の利益回復
中期経営目標 Vision2020の振り返りです。
日本電産の成果の一つとして、昨年の2Q、3Q、4Qと3四半期連続で営業利益2桁を実現したのは全体の利益創出力に厚みがあることを示し、非常に心強い材料となりました。
全事業部を通じて利益体質に転化できていることを示しておりますので、次に事業セグメント毎に見ておきましょう。
日本電産 事業ポートフォリオ
まず最初に日本電産の事業ポートフォリオですが、以下のようになっております。
全体の売り上げは1.6兆円となっておりますが、冒頭でも申し上げました通り、新CEOの関社長も「日本で屈指の難しい引き継ぎだと思うが、売り上げ10兆円への成長に向けて取り組みたい」と述べております。
日本電産は最終的には売上高10兆円企業を目指しておりますので、今後も強い期待ができそうです。
少々話がずれましたが、これだけの機器の事業セグメントを有する日本電産ですが、下記の通り4つの事業セグメント毎のここ2年間の四半期ベースの業績推移を示しました。
ざっくり2020年度1Qが底でそこからかなりいい形で利益回復している軌跡が見て取れます。
それでは各論です。
精密小型モータ
売上のポーション第2位を誇る精密小型モータはHDD出荷台数が減るという市場の急激な縮小にも関わらず、着実に利益成長してきた様子が垣間見れます。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、テレワークの拡大に伴い、PC需要が増えたことでも業績を伸ばしてきました。
車載
続きまして車載事業セグメントです。
こちらも先ほどの機密小型モータ同様、2020年度1Qを底に急激な業績回復を見せております。
家電・商業・産業用
最後に売上高の最大ポーションを誇る、家電・商業・産業用セグメントです。
こちらもコスト構造の抜本的な見直しを実行した結果、営業利益率を着実に向上させてきました。
以上のことから、日本電産は、当初予定していた中期経営計画と乖離ない順調な2020年度実績を残したと言えます。
さて、そこで気になって仕方がない来期の経営見通しを見ていきましょう!
日本電産 2021年度業績予想
損益計算書
日本電産の2021年度見通しは、
営業利益1,800億円(前年差+)
税引前利益1,750億円(前年差+)
当期利益1,400億円(前年差+)
とまたしても増収増益の見通しを発表しております。
事業セグメントベースの言及はなされていないものの、期待を持って2021年度の経営進捗を見守っていきたいと思います。
設備投資
また、来期以降の設備投資、研究開発についても見ていきましょう。
将来的には売上高10兆円を見据える日本電産は、中長期成長を重視するため、2021年度は前年以上の設備投資、研究開発投資を実行すると発表しております。
株主還元
次に気になる配当還元についてです。
2021年度の配当金は60円と前年2020年度と同額です。
来年も増収増益の見通しなので、その分のプラスは株主にも還元してほしいと思っていますので、この配当政策に関してはちょっと残念です。
先述いたしました通り、研究開発、設備投資費用が前年以上かかるので、2020年度にあれだけ貯めたキャッシュを次世代ビジネスの種まきに使いたいというのが本音なのでしょう。
しかし、営業キャッシュ・フローとフロー・キャッシュ・フローが過去最高と謳っておきながら来期の配当は据え置きですはちょっと渋いです。
最後に
最後に日本電産の現在の株価を見ておきましょう。
過去20年間で日本電産の株価は急激に上昇しております。
若干、最近の下落が気にならないと言えば嘘になりますが、来期の増収増益計画を遂行すればさらに上昇していくものと思われます。
今後も当ブログでは四半期決算ごとに日本電産は重要チェック銘柄としてwatchしていく所存ですので、引き続き決算分析、報告をさせていただきます。
さすがは日本電産!創業者永守氏は退きますが、売上高10兆円の目標は信じております!
来期の日本電産の経営成績に期待しながら本日はここまでとさせていただきます!
2022年3月期の1Q決算は明日7月21日です!!!
こちらも速やかに決算分析を行った後、ご報告させて頂きます!!
ありがとうございました!
今回の報告は以上です。
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