ちゃお!ネオコンです!
本日は、TOPIX CORE30銘柄企業の一角である、名門企業、村田製作所の決算についてご報告させていただきます。
以前、ダイキン工業の決算解説報告の時にも申し上げました通り、
TOPIX Core30は、TOPIXニューインデックスシリーズの一つで、東京証券取引所の市場第一部全銘柄のうち、時価総額、流動性の特に高い30銘柄で構成された株価指数のことです。
要するに各業界のリーディングカンパニーであり、選定されるということは非常に名誉なことなのです。
そしてこの電子機器メーカーの村田製作所ですが、昨今の電子機器業界が好調ということで、今期の経営成績および来期の経営見通しについても非常に楽しみです。
以前、日本電産、オムロン、TDKが増収増益であることはすでにご報告させていただきました。
TOPIX CORE30銘柄企業である村田製作所もこの波に乗れたのでしょうか?
そんな中での村田製作所の2021年3月期および来期2022年3月期の経営見通しについて一緒に見ていきましょう!
村田製作所 2020年度決算
過去5年間の経営成績の推移
最初にざっくりと、昨今の村田製作所の経営成績のイメージを掴んでいただくために、下記の過去5年間にわたる村田製作所の営業収益、税前利益、当期利益についてご覧ください。
昨年若干減益となるも、過去4年間ではきちんと右肩がりの成長を遂げており、今期2021年3月期には営業利益、税前利益で2,800億円を突破し、当期利益は2,100億円を突破する過去最高の実績となりました。
いや〜これは素晴らしいです。
オムロン、日本電産同様、電子機器メーカーの堅調さが垣間見れる素晴らしい経営実績です。
では、グラフでなんとなく村田製作所の経営成績は好調であることを念頭に入れて、2021年3月期決算を見ていきましょう!
決算のトピックス
まずは2021年3月期決算を読み解く上でのトピックスです。
✔︎2020年度は売上高、営業利益ともに過去最高を更新
✔︎2020年度期末配当金を+5円となる60円に決定
どちらも景気のいいトピックですね〜
来期についてですが、
✔︎2021年度は業績は過去最高更新を計画
✔︎2021年度年間配当金を120円に決定(2020年度は115円なので+5円)
景気の良い話が出てきたところで、定量的に村田製作所の2020年度決算を見ていきましょう!
損益計算書
次に、村田製作所の経営成績について見てまいります。
村田製作所の2020年度決算は、
営業利益3,132億円(前年差+600億円)
税引前利益3,164億円(前年差+624億円)
当期利益2,371億円(前年差+540億円)
と完全勝利となる決算でした!お見事です!
今期の電子機器メーカーは2020年度第4四半期から業績が好調になったと日本電産、オムロン、TDKの決算分析時に申し上げましたので、この現象が村田製作所でも当てはまるか、四半期ベースの売上、受注、受注残高を見ていきましょう。
下記の通り、2020年度第4四半期は売上高が過去最高レベルとなっており、2020年度の最後の第4四半期にダメ押しとなる利益成長があり、村田製作所の2020年度はハッピーエンドで仕上がったことがわかります。
いや〜素晴らしい!
次に事業セグメントベースでの前年比較を見ていきましょう!
こちらも素晴らしいです。
本社部門費用でのマイナスは本業ではないので大勢に影響ございません。
次に、企業活動ベースの営業利益の前年からの推移についても見ていきましょう。
倍加値下げや為替の影響など若干マイナス影響もございましたが、順調に推移し、プラスで仕上がっております。
経営成績面で見るとパーフェクトでした!
これだけ経営成績が良いと、きちんとキャッシュも本業の営業活動で獲得していて良いと想像できますが、一応検証しておきましょう!
キャッシュ・フロー
それでは村田製作所のキャッシュ・フローについても確認しておきたいと思います。
営業キャッシュ・フロー:プラス
投資キャッシュ・フロー:マイナス
財務キャッシュ・フロー:マイナス
フロー・キャッシュ・フロー:プラス(前年の3倍以上!)
はい、最強です。
期末のキャッシュ残高も4,000億円の大台に乗りましたし、キャッシュベースでも村田製作所の堅調なビジネスが確認できますね。
株主還元
さて、それでは我々投資家にとって最も大切な株主還元について見ていきましょう。
今期2020年度は、従来発表していた期末配当金額から5円増配して115円で決定いたしました。
そしてネタバレになりますが、来期2021年度の村田製作所の配当金額は、前年+5円の120円となる見通しです。
とにかく、良いことづくめだった村田製作所の2020年度決算でしたが、この好調は来期も継続するのか?
続いて見ていきましょう!
村田製作所 2021年度決算
部品需要予想
まずは来期の経営見通しを策定する前に、その前提となる市場環境を押さえておきましょう。
来期のスマートフォン、PC、自動車の需要予測は下記の通りです。
PCは若干微減するものの、スマートフォンと自動車、特に自動車は堅調な需要拡大が見込まれております。
PCも微減とは申し上げましたが、リモートワークやオンライン教育の継続により前年と比べてマイナスとなるものの、高水準な需要は継続すると想定しております。
損益計算書
このように村田製作所にとって追い風と受け取れる来期の経営環境の中で見通される、経営計画はこちらです。
村田製作所の2021年度連結決算見通しは、
営業利益3,200億円(前年差+68億円)
税引前利益3,220億円(前年差+56億円)
当期利益2,400億円(前年差+29億円)
と全ての損益項目で増収増益を計画しております。
まぁもちろん、想定為替が107円と2020年度実績と比べて円安を想定しておりますので、円安の影響はあるとはいえ、本業でしっかりと増益計画を打ち出していることは評価できます。
では、昨年堅実なキャッシュ実績を確認できたキャッシュについてはどう考えているのか見ていきましょう。
キャッシュ・フロー
また、来期以降のキャッシュ・フローの計画が以下です。
村田製作所は今後も業績をどんどん伸ばしていくことを前提としており、営業キャッシュ・フローは増加していくと発表しております。
ですが、投資活動がそこまで活発でないため、投資キャッシュ・フローのマイナスはないため、残ったフロー・キャッシュ・フローを配当や、負債の返済にあてていくといっております。
今後数年は、有望な投資案件が無い以上が、キャッシュポジションをキープしていく方針なのでしょう。
個人的には、これだけ儲かっているし、キャッシュを持って安心するのではなく、配当を増やしてキャッシュをある程度吐き出して、もっと危機意識を持って経営してもらえればと考えております。
株主還元
さて、先ほどネタバレとなってしまいましたが、来期2021年度の配当金額についてです。
来期は前期と比べて+5円増配の120円とすると言っております。
これに関しては、2020年度に業績は過去最高益を達成したのですから、増配についたはもう頑張って欲しかったなぁと思います。
そして、今回来期の配当金額を120円と決定した村田製作所の株主還元政策と推移がこちらです。
配当性向30%およびDOE4%を念頭に置いた還元政策を考えているとのことです。
まぁ、この政策に基づくと120円というのが算出されるのでしょうが、配当性向を40%とかに上げるなどしてもう一声欲しいとは思いました。
最後に
最後に村田製作所の現在の株価を見ておきましょう。
過去20年間で村田製作所の株価は上昇し続けております。
大昔はかなり高かったようですが、そこから長い停滞期を経て今の1万円近くの高水準に位置していることがわかります。

最近、気下落しておりますが、長期スパンで見れば大差ないでしょう。
来期もしっかりとこの増収増益計画を遂行すれば1万円台の株価に戻るはずですので、我々投資家は期待感を持って、今期の村田製作所の経営進捗を見守りたいと思います。
下がる要因といえば、個人的には何度も申し上げてきました通り、増配が少ない点ですね。
ここだけは一言言いたいです。
今後も当ブログでは四半期決算ごとに村田製作所は重要チェック銘柄としてwatchしていく所存ですので、引き続き決算分析、報告をさせていただきます。
さすがは世界の村田製作所!さすがTOPIX CORE30銘柄企業の一角!
来期の村田製作所の経営成績にも期待しながら本日はここまでとさせていただきます!
ありがとうございました!
今回の報告は以上です。
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