三井物産 2024年3月期2Q決算
2024年3月期1Q経営サマリー
三井物産の2024年3月期2Qの経営サマリーは、
基礎営業キャッシュフロー4,751億円(前年差▲1,364億円)
当期利益4,563億円(前年差▲828億円)
と確かに前年度は当然下回るものの、きちんと経営計画に対して半分以上の進捗を仕上げてくれました。
そして、後述いたしますが、基礎営業キャッシュフロー、当期利益の上方修正、増配、自己株式取得もあり、保守的な三菱商事とは打って変わって非常に株式市場からも評価される良い決算でした。
こちらがセグメント毎の事業計画との進捗を表現した図ですが、基礎営業キャッシュフロー、当期利益ともに金属資源、機械・インフラが存在感を示してくれました。
2022年度から注視しているロシアの権益リスクですが、こちらも2023年3月末が底で評価の見直しがあってだいぶ回復してきたように見受けられます。
こちらが通期の基礎営業キャッシュフロー4,751億円の積み上げですが、金属資源、エネルギーは想定通り減少、するものの機械・インフラで資産リサイクルや関係会社からの配当金があり、そこそこ粘った基礎営業キャッシュフローの仕上がりであったと言えます。
続きまして、こちら四半期セグメント別当期利益4,563億円グラフですが、基礎営業キャッシュフローとも重複しますが、機械・インフラの躍進が目立ちます。今後は、船舶や建機での好調が利益ベースでは反映されていて金属資源やエネルギーの減益でできる限りカバーした形となります。
要素別の前年増減分析ですが、先ほどは褒めましたが、やはり本業の基礎収益力では前年比▲610億円となっており市況も資源コストもかかっている中、資産リサイクル、資産入れ替えでなんとかしのいだ形となります。
三菱商事の記事でも申し上げました通り、市況に左右されない強い非資源の事業ポートフォリオの構築が三井物産には求められます。
2024年3月期2Qキャッシュアロケーション・バランスシート
次に、2023年度2Qのキャッシュアロケーション、バランスシートについて触れたいと思います。
今年から開始する3カ年の中長期経営計画におけるキャッシュアロケーションについてなのでまだ1/6が終わったところですが、資産リサイクルによるキャッシュインと、成長投資によるキャッシュアウトは積極的に実行していることがわかります。
上期基礎営業キャッシュフローと当期利益の部分で資産リサイクルで利益やキャッシュが出ていることはわかりますし、今後市況に左右されない事業基盤を構築しようとする三井物産の努力が垣間見れます。
成長投資も給食事業のエームサービスを筆頭に生活産業系の投資が多く2026年に向かって変わる姿勢が見て取れますね。
三井物産は2026年までに定める中期経営計画で肝となっている3つの戦略的事業分野に投資するとしておりますので、将来的にはこのような新事業の開花が計画されております。
こちらが財政状態ですが、ネットDERも0.48倍にまで減少し、一段と財務体質が強化されていく様子がわかります。
三井物産 2024年3月期 修正版通期見通し
先述しました通り、三井物産は好調な上期決算を背景に通期の利益計画、磯営業キャッシュフローの上方修正を行いました。
三井物産の2024年3月期修正版通期見通し経営サマリーは、
基礎営業キャッシュフロー9,600億円(期初公表差+900億円)
当期利益9,400億円(期初公表差+600億円)
と上期が終わったこの段階でかなりドラスティックな上方修正をしてくれました。
また、増配と自己株式取得も公表しました!大盤振る舞いな積極的な攻めの姿勢を評価したいと思います。
配当170円(期初公表差+20円)
自己株式取得500億円(期初公表差+500億円)
基礎営業キャッシュフロー9,600億円(期初公表差+900億円)については、やはり寝てても入ってくる配当金を有する資産の強さを実感しますし、
当期利益9,400億円(期初公表差+600億円)では、上期に引き続きMVPとなる機械・インフラの躍進が通期計画で期待されることがわかります。
ただこれらを要素別に分解するとやはり大きな要因は市況の+670億円に頼っていることは認識すべきです。
市況ではなく本業が+120億円ではなく主要因で上方修正できるくらいのレベルに成長するように三井物産には求めたいですね。
こちら2026年度には市況の影響なしの本業で当期利益9,200億円の実現が計画されておりますので、資産入れ替えと新事業投資→開花を加速させたいところです。
最後に、株主還元についてです。
配当170円(期初公表差+20円)
自己株式取得500億円(期初公表差+500億円)
こちらは三菱商事が2Q決算で保守的な株主還元に終始したのに対し、上期の段階で腹くくって宣言した三井物産の方が評価されます。
通期の上方修正により、配当総額2,570億円+自己株式取得700+500億円は、当期利益9,400億円に対して、総還元性向40%に値するので中期経営計画で目指す37%を超過しておりGoodです。
あとはこの通り、通期で仕上がることを期待したいと思いますし、私も三井物産の株は年末に向かって買っていこうと思いますので注目です!
三井物産 決算発表後の株価、市場の反応
三井物産の株価は、決算発表が行われた10月31日14時から息を吹き返して爆上げとなりました。
総合商社のトップバッターとなるので、その後他の4社の株価の釣り上げの契機となりました。積極的な幹部主還元と上方修正が大きいです。

5年間推移もしっかりと上昇を続けておりますので、マーケットが三井物産に期待していることは確かです。

あれだけここ2年間懸念材料として上がっているロシアという爆弾も評価額が回復していっており、世界情勢は今後わかりませんが、三井物産の現時点の資産入れ替えと、将来投資の事業育成に期待して今後も株価6,000円をまずは突破できるように下期も応援しましょう!

【出典】三井物産株式会社 ~Creating Sustainable Futures~ 2024年3月期第2四半期 決算説明会資料 2023年10月31日
マジで期待しています!三井物産〜〜〜😭😭😭😭
とにかくまずは安定的に利益1兆円を叩き出せるようにして1日でも早く三菱商事との差を埋められるようにして欲しいです!
さて、三菱商事、三井物産は書き終えましたが、残り伊藤忠商事、住友商事、丸紅と他の総合商社決算もリリースされますので、気力体力が続く限り追って全力で私は分析の上、ご報告させて頂く所存です!
決算芸人故、この時期は仕事が溜まっております!
帰任の準備も撮り進めつつ、株式投資に参戦できる日も近いので駐在中よりも熱が自然と入ります!
ありがとうございました!
本日の報告は以上となります🙇♀️
さて、昨年2022年はコストプッシュ型インフレに端を発した昨今の円安より、大円安時代に突入しましたが、2023年は急激な利上げで反転することが想定されます。
物価高、上がらぬ賃金、防衛増税、株式投資等の金融所得課税の可能性など家庭のキャッシュを両化させつつ投資生活を送ることが大切です。
三面等価の原則が成り立たない未曾有の事態に、将来の含み益ということで期待するのではなく現在のキャッシュフロー改善に目を向けるキャッシュフロー投資をポートフォリオに加えるべきです。
したがって、今後はポートフォリオに高配当日本株の銘柄を組み込むことをオススメし、その専用口座として松井証券の口座を開設することを強く進言申し上げます🙇♀️
松井証券は、日本株しか取り扱っていませんが、一日の約定代金50万円まで手数料ゼロ円です!!
なんと、SBI証券や楽天証券が約定ごとに課金されるのに対し、
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【引用】MINKABU THE INFONOID, Inc.様
当ブログでも何度も申し上げております通り、戦略銘柄と位置付けている三菱商事、三井物産が減損して再び買い増ししようと思った時、100万円までであれば少なくとも200株は買い増しできるわけですし、定期積立でもナンピンでもとにかく使い勝手が良いです!
円建てで高配当のキャッシュイン資産を構築することが必要ですし、その準備としても日本株専用の松井証券の口座を持つことは極めて意味があります!
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もしよろしければご覧になり、勉強して頂ければと思います!
家計簿PL、家計資産残高(BS作成)、企業の決算分析とこの資本主義社会を賢明に戦い抜く武器を身につけることができます!
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当ブログでは、高配当で魅力的な戦略銘柄中心に決算分析記事をご報告させていただきたく存じますので、引き続きさとり世代の株日記をご愛顧の程お願い申し上げます🙇♀️
2022年3月期分析企業記事
長くなりましたが、今回もお付き合いくださりありがとうございました😊
また次回の記事でお会いしましょう〜
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