こんにちはーネオコンです!
本日はわが国最初の総合商社、三井物産についてです!
三井物産については過去にプロフィール的な部分から報告させていただいておりますのでよろしければご覧ください!
さて、4月30日に、2020年度の総合商社決算の第一弾として資源商社こと三井物産の決算がありました。
決算の少し前に、500億円分の自己株式取得を発表し、かつ2020年度決算の上方修正を発表した三井物産。
代表取締役社長も交代し、中期経営2023の初年度となる2021年3月期の実績と、2年目の2022年3月期の計画概要を見ていきましょう!
三井物産 2021年3月期決算
2021年3月期経営サマリー
三井物産の2021年3月期の経営サマリーは、
基礎営業キャッシュフロー6,581億円(前年度+約1,000億円、21年2月公表従来予想+581億円)
当期利益3,355億円(前年度▲約500億円、21年2月公表従来予想+651億円)
1株あたり配当金は、85円(前年度+5円、21年2月公表従来予想+5円)
と、従来予想を良い意味で裏切るサプライズありの文句なしの決算でした!!
損益、基礎営業キャッシュフロー、増配、と三拍子揃っており、
経営成績、キャッシュを稼ぐ力、株主還元と非常に高く評価できる決算でした。
素晴らしいです。
下記の記事で三菱商事の2020年度決算の解説をさせて頂きましたが、三菱商事が2020年度大変苦戦して、2月の最終見込み発表で宣言した連結純利益すら未達で仕上がったことを考慮すると、三井物産の2021年3月期の経営成績はお見事です。
2021年3月期基礎営業キャッシュ・フロー
三井物産の2021年3月期キャッシュフローの状況は、基礎営業キャッシュ・フロー6,581億円(前年度+約1,000億円、21年2月公表従来予想+581億円)と、損益で前年を下回ったものの、力強いキャッシュを稼ぐ力を見せつけてくれました。
原油・ガス価格下落、LNG配当の減少で金属資源と双璧をなすエネルギー事業が▲833億円と凹みました。
しかし、
金属資源事業が、豪州石炭事業における販売価格下落を受けつつも、豪州鉄鉱石事業における販売価格上昇、Valeからの配当増で前年差+644億円
次世代・機能推進事業の+512億円や、化学品事業が化学品トレーディング、農業資材関連堅調で+267億円
と大きく良い意味で期待を裏切る形で、2021年3月期はキャッシュを稼いでくれました。
下記は2020年5月1日に発表した「中期経営計画2023」での基礎営業キャッシュフローの計画ですが、2021年3月期キャッシュフロー4,000億円を大きく上回りました。
同じ中期経営計画でも大幅な未達が見受けられた三菱商事との明暗がはっきりと見て取れます。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、減少を見込むと保守的に見ていた基礎営業キャッシュフローを大きく上回っていますね。
(しかし、三菱商事はコロナ禍前に中期経営計画を発表し、三井物産はコロナ禍中での発表したのでこのタイミングについては要考慮)
三井物産 2022年度3月期事業計画業績見通し及び株主還元方針
2022年3月期事業計画
三井物産の2022年度事業計画は、
基礎営業キャッシュフロー6,800億円(前年度+219億円)
当期利益4,600億円(前年度+1,245億円)
1株あたり配当金は、90円(前年度+5円)
キャッシュフロー、経営成績、配当金、どれを取っても素晴らしい見通しを打ち出してくれました。
特に、増配は2023年まで80円下限としており、今年から始まった中期経営計画2023のうちは増配は無いと想定されていたため、投資家にとって非常に嬉しいサプライズとなりました。
2022年3月期株主還元方針
三井物産の2020年3月期の株主還元方針は、2021年3月期と比べて5円増配の90円年度としました。
これだけでも嬉しいのにさらに2021年5月〜6月中に最大500億円の自社株を2021年2月にう引き続き行うということで非常に高く評価できる株主還元方針を発表しました。
なお、2020年5月1日に発表した「中期経営計画2023」での株主還元方針では、中期経営計画最終年となる2023年に基礎営業キャッシュフローが5,500億円ことを考慮しても配当は下限80円と発表されていました。
当初コロナウイルスの影響で今後3年間かけて2020年の基礎営業キャッシュフロー5,500億円レベルに回復することを見込んでいたようですが、2021年3月期に早くも6,500億円オーバーと2018年のレベルに戻ることができました。
故に、想定以上に早く基礎営業キャシュフローが回復できたので今回の増配と自社株買の取得に踏み切ったのでしょうね。
三井物産 決算発表後の株価、市場の反応
三井物産の株価は、決算発表が行われた4月末から高騰し続けています。
5月7日に発表された三菱商事の決算がよくなかったので、三菱商事から三井物産への乗り換えが生じたことすら想定されます。
まだ、2021年3月期首位の想定が出ている伊藤忠商事の決算がまだですが、三井物産の2022年3月期の経営にも大いに期待できます。

三井物産 決算総括
2021年3月期の三井物産の決算の総括ですが、素晴らしいの一言に尽きます。
コロナ禍という異常事態にも関わらず、きちんと基礎営業キャッシュフローを稼ぎ、来季はさらに高みを目指す見通しを打ち出せた経営陣は高く評価されるべきです。
2022年3月期の日本株で注目すべき株式銘柄であることは言うまでもありません。
今後の三井物産の経営から目が離せません!
今回の分析は以上となります。
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