三井化学2020年度決算を徹底解説!

こんにちは!ネオコンです!

本日は化学メーカー第3弾!

マイナーな業界が続いてメジャーどころをお待ちの皆様にはお待たせして申し訳ございません。(是非とも知って頂きたい業界なので続けております)

第1弾として隠れ優良企業「日産化学」をご紹介し、

日産化学株式会社
こんにちはーネオコンです! さて、5月14日に、以前、超優良化学メーカーとしてご紹介いたしました日産化学の2020年度決算があったみたいな...

前回は住友財閥を代表する住友御三家の一角である「住友化学」をご紹介いたしました。

住友化学株式会社
こんにちは!ネオコンです! 大手化学メーカーの2021年度の決算の見通しが良好と報道されたので、まずは当ブログでも以前からwatchしてお...

住友財閥を紹介しておいて、三井財閥の三井化学を紹介しないわけには参りません。

噂によると、今期の三井化学の業績は非常に良好だったそうですので、

早速、三井化学の21年3月期決算および22年3月期見通しについて解説していきます!

三井化学 2020年度決算

2020年度決算概況

三井化学の2020年度決算は、

コア営業利益851億円(前年差+約128億円+18%)です。

当期利益579億円(前年差+約239億円+70%)です。

コロナ禍で大変です!って航空業界、鉄道業界などが言っている中、素晴らしい決算ですね。

 

次に、セグメント別コア営業利益を見てみましょう。

 

三井化学に関しては、COVID-19で、恩恵を享受した事業と、厳しい経営を強いられた事業の2つがあることがわかります。

モビリティ事業は、グローバル自動車生産台数の落込み、経済活動の制限により、販売は減少しましたが、

ヘルスケア事業では、不織布ビジネスが、おむつ、マスク、医療用ガウン向けの販売が堅調に推移しましたし、

基盤素材では、基礎化学品事業において、アセトンの海外市況は、消毒用途の川下製品の需要増加により高水準で推移したことから恩恵を享受しました。

またフード&パッケージングでは、住友化学の決算解説の時にも申し上げました通り、

産業用フィルムが、半導体需要増に伴い堅調に販売増

農薬が海外向けの販売が増加

ということもあり、モビリティ事業のマイナスを補い、さらにはプラスに転化できるほど他の事業の好調があってコア営業利益ベースでプラス、当期利益も前年比増という形に仕上がりました。

それでは、この三井化学の快進撃は来季も継続するのでしょうか!?

次に2021年度予想を見ていきましょう!

三井化学 2021年度予想

2021年度業績予想概要

三井化学の2021年度業績予想は、

コア営業利益1,150円(前年差+299億円)

当期利益790億円(前年差+211億円)

配当110円(前年差+10円)

と大きく躍進するとの見通しです。

 

コア営業利益の観点から見てみると、まず第一に各セグメントともに販売が回復し、特に成長事業と位置づけているICT関連材料、ビジョンケア材料、農薬の躍進が期待されます。

COVID-19で特需の恩恵を受けた不織布は品薄状態が解消され、三井化学の販売は減少していく模様です。

しかし、2020年度に計上したキャッシュをもとに新設プラント、開発費用を増加し、未来の事業を創造していく姿勢が見て取れます。

ですので、2021年度は利益面での増収増益が期待できるだけではなく、将来のビジネス投資もしっかりと行うという意味で楽しみですね。

 

下記の通り、会計基準の変更という差異はあれど、過去5年間で最高のコア営業利益計上の見通しです。

 

2021年度資源投融資計画

そして、先ほど少し触れた「将来への種まき」の件です。

2021年度は投融資、研究開発費ともにここ3年間で最も多くの額を投資していく計画です。

 

2021年度財政状態

続きまして、過去8年間の三井化学の財政状態を振り返ってみましょう。

2014年に、石油化学終焉説が流れ、石油化学の割合が大きかった三井化学は非常に厳しい経営を迫られ、当時のD/Eレシオは1.22倍と財政状態の健全化が急務でした。

 

しかし、常軌をご覧になってお分かりになる通り、この8年間かけてきちんと財政規律を正して、0.6倍にまで減らしてかなり改善していった様子が見受けられます。

2021年度株主還元

最後に、最も大切な株主還元についてみていきましょう。

2020年度は昨年度と同額の100円の配当金でしたが、2021年度は業績の好調を鑑みて10円増額の110円の配当金を計画しています。

 

このように増配に踏み切れるようになったのも、先ほどの章で申し上げました通り、三井化学の財政状態が健全したことに他なりません。

きちんと110円の配当金を支払ってもきちんと今後も飛躍できるよう、より一層の成長を遂げてくれると三井化学に期待したいですね。

最後に

私が就職活動をしていた頃、三井化学といえば、石油化学品事業が大部分を占めていて、いくら財閥系総合化学メーカーとはいえ敬遠する学生も多くいました。

財政状態も不安があり、やはり住友化学との併合ももう一度検討すべきではないかという声が業界からあったのも確かです。

しかし、こうして2020年度決算と2021年度見通しを見ていく中で、確実に総合科学メーカーらしく市況に左右される事業が沈んでも、着実に利益を稼げる事業が補うなど、住友化学同様、総合化学メーカーの手堅さを強みにしているというのが率直な印象です。

2021年度の三井化学の飛躍に期待です!

今回の報告は以上です。

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