どうも!ネオコンです😊
本日も「もし一度就職活動をしたらどの企業に入りたいか?」という視点で企業選びをして見ました。
ネオコンがもしもまた大学3年生に戻れるなら、是非とも入って見たい企業はこちら!
三菱地所です!
以前、三菱地所については分析したことがありますので、よろしければ下記をご覧下さい。
三菱地所の最大の強みは、日本最大のビジネス街「丸の内エリア」を手がけている点です!
2020年4月に新設された、住宅を除く不動産の開発・運営および関連する事業全般を担う組織「コマーシャル不動産事業グループ」の営業収益は全体の過半数を占めており、安定的なキャッシュフローをもたらす源泉となっております。
この潤沢かつ安定的な財政基盤、原資を元手に、三菱地所は、近年では海外事業にも積極的に進出し、他社に先駆けて事業を拡大していることが知られております。
入社したい企業ランキングでも常に長年上位にランクインすることでも知られている三菱地所。
しかし、業界最大手の三井不動産に純利益で昨年負け越しており、2021年3月期は住友不動産にも負けてしまって近年は2位が定位置となっております。
それでは早速、三菱地所の2021年3月期、および2022年3月期の通期見通しについて一緒に見てまいりましょう!
三菱地所 2021年3月期連結決算概況
それでは、2021年3月期の連結業績概況を見ていきましょう。
三菱地所の2021年3月度通期実績は、得意のオフィスビル賃貸利益は安定的に利益を稼ぎ出せたものの、新型コロナウイルスの影響で商業施設およびホテル事業が前期比減収減益となりました。
しかし、来季2022年3月期には新規ビルの竣工、2021年3月期な沈んだキャピタルゲインの増加により本業の営業利益ベースで過去最高益を見込んで返り咲く予定です。
なお、2021年3月期、2022年3月期どちらも増配していることからキャッシュ面での不安は感じられません。
これらを定量的に見てみると、
営業利益2,244億円(前年差▲164億円)
当期純利益1,357億円(前年差▲128億円)
配当31円(直近の発表比+1円、実質減配)
となり、営業利益ベースだと、投資マネジメント事業を除いては、全て減収減益という形となっております。
大手不動産の収益パターンは、オフィスビル賃貸利益によるインカムゲインと、物件の売却によるキャピタルゲインがございます。
このうち、今年は新型コロナウイルスの影響により、商業施設・ホテルでのキャピタルゲインが想定通り進捗しなかったことにより営業利益で▲343億円、特別損失▲57億円のインパクトがありました。
下記は、2020年度の競合企業の営業利益・純利益ですが、2021年3月期は、三菱地所は三井不動産に昨年のリベンジを果たすも、昨年勝っていた住友不動産に首位を明け渡す結果となりました。
また後日、三井不動産と住友不動産の記事は報告させて頂いますが、三菱地所と三井不動産が新型コロナウイルスの影響で、ホテルや商業施設の稼働率が落ち込ぬ中、住友不動産は本業に加えて、中国企業との合弁を解消し、株式を売却したこともあり、首位になりました。
億円 | 住友不動産 | 三菱地所 | 三井不動産 | 野村不動産 | 森ビル | 東急不動産 | |
2020年度 | 営業利益 | 2,192 | 2,244 | 2,038 | 763 | 509 | 565 |
当期純利益 | 1,414 | 1,357 | 1,296 | 422 | 314 | 217 | |
2021年度 | 営業利益 | 2,280 | 2,450 | 2,300 | 770 | 520 | 800 |
当期純利益 | 1,500 | 1,420 | 1,600 | 495 | 340 | 300 |
三菱地所 2022年3月期 業績予想
さて、それでは三菱地所の2022年3月期の通期業績見通しを見ていきたいと思います!三菱地所の2022年3月期の業績予想は、
営業利益2,450円(前年差+145億円)
当期利益1,420億円(前年差▲512億円)
配当33円(前年差+2円)
と新規ビルの竣工、前期沈んだキャピタルゲインの復活等により、営業利益は過去最高益を見込んでおります。
それでは2022年3月期の事業利益を内訳で細かく見ていきます。
全体では、新型コロナウイルス前の2020年3月期以来の事業利益2,400億円台に返り咲き、特にキャピタルゲインにおいては得意のコマーシャル事業がさらに増益となり、海外事業が現役から増益に転じる点が大きいです。
三菱地所は常に1,600億円台が見込める安定的なインカムゲインの基盤の上に、キャピタルゲインを乗せることで継続的安定的成長を遂げており、これに2022年3月期は回帰できるというのが営業利益過去最高益を見込める背景なのでしょう。
三菱地所 長期経営計画の進捗
さて、次に三菱地所の長期計画の進捗について確認しておきましょう。
重要経営指標
正直、三菱地所にとって2021年3月期は新型コロナウイルスの影響で2015年3月期から5年間連続でROA、ROE、EPSの連続上昇がストップしてしまったので経営に対する打撃は非常に大きなものでした。
2030年にはROA5%、ROE10%、EPS200円を目指していることから一旦は減少してしまった2021年3月期を底として今後も這い上がってこの長期目標の達成のため邁進していくようです。
事業投資
また、今後は得意の国内アセット事業のみならず、
コマーシャル事業で稼いだ収益をさらに海外に投資して、海外アセットを強化していきます。
定量的に見てみると、キャッシュイン7,500〜8,000億円に対して、同額のキャッシュアウトを計画していますが、
国内中心のベース投資5,800億円を基礎とした上で、戦略的アロケーションとして海外投資を1,000〜1,500億円規模で実行していくというものです。
資本政策
株主還元政策についてです。
2021年3月度は右肩上がりで続いていた増配が一転減配に転じてしまいましたが、来期以降は増配し、2020年3月木水準に回帰し、かつ自社株取得も300億円程度を想定しております。
2021年3月期に株主に対して減配という厳しい形での資本政策となったので、来期以降挽回していく三菱地所の姿勢が見て取れます。
最後に、中長期的な2030年を見据えた、計数目標を確認しましょう。
着目すべきは、EPSを現在の2倍の200円、配当性向30%程度とするという点。
きちんと長期経営計画が実行されたとすれば、
配当は、200円*30%=60円となり、今の2倍の配当額となる見込みです。
まとめ
最後に三菱地所の最新株価を確認してまとめとさせていただきます。
ここ5年間を見ても、新型コロナウイルスが始まった2020年3月あたりで一旦株価2,000円台を割り込み、この1年間は1,500円〜2,000円のあたりを推移し、現在、2022年3月期の見通しが見えてきたところで2,000円に回復しそうな位置にあるというのが現状です。

5年間連続の重要経営指標の上昇がストップしてからというものの、株式市場での三菱地所への評価は一旦下がりましたが、この2021年3月期の1年のみが踊り場であり、来期以降回復できるのであれば長期的な株式価値の増加は自明かと思います。
繰り返しになりますが、他の総合不動産企業と比べて、丸の内というオフィス賃貸収益源を有しながらその原資を海外投資に積極的に投じて事業を拡大できるビジネスモデルを有する三菱地所は固有の圧倒的な強みを持っていると言わざるを得ません。
もう一度就活生に戻ったら入りたい企業という切り口で今回は三菱地所を選んで分析させていただきましたが、結果的には当初通りやはり”Good Company”でした!
財務IR的には非常に素晴らしい会社です!
投資するもよし、就活生の方は是非とも受験してみることを強くお勧めします!
それではまたお会いしましょう!
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