三菱商事は、三菱財閥に所属するの大手総合商社です。
三菱財閥の中でも、三菱UFJ銀行、三菱重工業と並ぶ三大中核企業の一角でもあります。
また、三菱商事は、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅と同じ五大商社の一つであり、日本の総合商社のトップに君臨する企業でもあります。
名実ともに日本一である三菱商事の株価と今後の見通しを分析していきます!
三菱商事は三菱財閥の原点
三菱商事は、三菱財閥の創業者である岩崎彌太郎氏によって設立されました。

岩崎彌太郎氏が制定した経営理念は「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」です。
このうち、「立業貿易」の価値を重んじて、大正時代〜第一次世界大戦にかけて、取扱商品数を飛躍的に伸ばし、日本の貿易業に貢献しました。
その後、第二次世界大戦後の財閥解体で解散を余儀なくされるものの、1954年、総合商社・三菱商事が新発足しました。
その後、単なる商品の取引にとどまらず、ブルネイでのLNG開発事業への参画、オーストラリア、カナダの鉄鉱石事業等の資源ビジネスにも早期から参入しました。
三菱商事は、他の総合商社と比べて、早い段階から総合商社としての片鱗を見せていたんですね。
グローバルビジネスを展開する日本一の総合商社
現在、三菱商事は、世界約90の国、地域に支社を持ち、約1,400の連結事業会社と提携しながらビジネスを展開しております。
このネットワークを活かして、全世界的に全産業へ市場アクセスする力、所謂、「全産業を俯瞰する総合力」を獲得するに至りました。
現在は、ビジネスセグメントとしては、以下の通りのグループがあります。
2期連続で過去最高益更新 安定した経営基盤 来期も最高益見通し
それでは早速、三菱商事の昨今の経営成績についてみていきましょう。
現行の「中期経営戦略2018」の最終年度に当たる、2019年3期の当期純利益は、前年と比べて+305億円増益の5,907億円となりました。
なんと、三菱商事は、前年と続けて2期連続で過去最高益を更新しました。
2016年3期に資源関連の減損があり、純損失となってしまったのは記憶に新しいかと思います。
しかし、しっかりと市況に左右されない「事業系」が稼ぐビジネスモデルがこの2年間で確立してきたことから、経営成績では安心できますね。


ネット有利子負債倍率 ネット有利子負債 ともに減少し健全な財務体制を構築中
さて、続いては三菱商事の財政状態を見てみましょう。
ネット有利子負債倍率は過去6年間で下降の一途を辿り、19/3期には2年連続となる最低の0.7倍を記録し、健全な財務基盤をこの6年で築き上げたと言えます。
14/3期に最大であったネット有利子負債も毎年着々と返済し、今後の三菱商事の財政基盤については安心してみていられます。


営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローどちらも5年間プラス!稼ぐ力は盤石である!
さて、続いては三菱商事のキャッシュフロー計算書を見てみましょう。
ご存知の通り、キャッシュフロー計算書は現金(キャッシュ)の出し入り事実の記録です。
故に、損益計算書と違って粉飾などのごまかしがききません。
一番正直な財務諸表であり、企業の経営状態の実態が手に取るようにわかります。
営業キャッシュフロー
一貫してプラスなので、三菱商事が過去6年間一貫してキャッシュ(現金)に裏付けのある実態ベースのビジネスを行ってきたことが分かります。
投資キャッシュフロー
一貫してマイナスで、次世代ビジネスへの投資を重んじる商社としては理想の毎年マイナスを記録しています。
未来への投資の姿勢を垣間見ることができます。
フリーキャッシュフロー
(営業キャッシュフロー)-(投資キャッシュフロー)で算出されるフリーキャッシュフローも過去6年間から一貫してプラスです。
注目していただきたいのは、当期純損失となった16/3期でも、きちんとフリーキャッシュフロー1,963億円プラスを計上しているのです。
故に、損益計算書ベースだと純損失で心配になりますが、現金ベースですときちんとプラスを出しているのでそこまで心配する必要はありません。
財務キャッシュフロー
一貫してマイナスです。フリーキャッシュフローがマイナスであれば不足する現金を補填すべくお金を借りるために財務キャッシュフローはプラスになります。
しかし、6年間一貫してマイナスというのは、必要な投資額をきちんと稼いだキャッシュで行えていることを意味しております。
それと同時に有利子負債をコツコツと返済してきた三菱商事の健全なキャッシュフロー経営の姿が見て取れます。


ROE、ROAともに順調に推移 ROEは2年連続10%超
三菱商事のROEとROAですが、純損失を計上した2016年3期以外はきちんとプラスで推移しており順調さを見て取れます。
ROEは2年連続10%を超えており、株主資本をきちんと利益に結びつけるべく効率的な経営ができていることがわかります。


配当性向30%は今後も堅持 配当金も安定 累進配当+自己株取得も発表
それでは三菱商事の1株あたりの情報を見ていきましょう。
過去6年間の平均配当性向は30%で今後もこの業績も2期連続で過去最高益更新しており好調なので、このラインは今後も固く維持していくでしょう。
これに伴い、配当金も年々増額しております。
中期経営計画実行期間中に渡り、累進配当に基づく増配を継続するとしております。
着目していただきたい点は、持分法による投資利益損失に伴う一過性純損失があった16/3期であっても、きちんと配当を出してくれている点です。
このことから、三菱商事は株主を大切にしている会社であることが分かりますね。


また、三菱商事は中長期的な株主還元を掲げており、先ほどの累進配当に加えて、3,000億円の自己株式取得を掲げております。
自己株式取得をすると市中流通株式数が減少するので一株当たりの価値は上がります。
したがって、保有している三菱商事の株価が上がりやすくなりますので三菱商事の株式を持っている株主にとってはありがたいことですよね。
過去5年PBR1倍以下の割安圏にもかかわらず配当利回りは驚異の45%!!
三菱商事の株価は2019年10月25日時点で2,728円となっています。
19/3期で2期連続、過去最高益を更新したので、好業績を考えるとまずは足元の3,000円越えは妥当です。
しかし、PERは過去6年間で一貫して10倍以下、PBRも6年間で一貫して1倍以下と、現在の三菱商事の株価は極めて割安圏に位置しております。
総合商社は巨大投資会社であり、世界中のありとあらゆる会社に出資し株式を持っています。
ですので、たまには出資先の会社の業績が悪くなり減損になるリスクがあります。
この最たる例が、何度も申し上げてきました16/3期の当期純損失を計上した時です。
投資家は、この時のように減損による当期純損失を恐れるが故に、PBRが常に1倍を切る割安株として今の株価になっているのだと思います。
それにもかかわらず、現時点での配当利回りは4.58%と資産株としてとてもおすすめできますのでトータルで見てぜひともお勧めしたいです!!


まとめ
三菱商事は、経営成績もよし、財務状態もよし、資金繰り状況も良い、とても優れた企業です。
それにもかかわらず、株価は非常に割安となっておりますので、3,000円を切っている今、是非とも資産株としておすすめしたいです!
私が財務分析に目覚めたのはこちらの神図書2冊!!!
この本で財務分析に目覚めてから、、、、
下記の記事にて財務会計について解説できるだけの実力がつきました!
是非ともオススメですので、財務会計を学んでから、ファンダメンタルを軸とした株式投資に挑戦して、令和時代を賢く堅実に資産形成を武器に勝ち残っていきましょう!!!
これでも難しい方はこちらがオススメです!!
今回もさとり世代の株日記をご覧くださり誠にありがとうございました🙇♀️
また次回の記事でお会いしましょうー!
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