こんにちは!ネオコンです!
こちらは今回は31期連続増配を目指す優良企業花王の2020年12月度決算につき解説の方させていただきます!
花王については以前ご紹介したことがあるので、もしお時間ございましたらご覧くださいませ!
花王といえば、もちろん消費者にとって誰もが知っている一流企業です!
下記の通り、消費者である我々にも近しい商品ラインナップがあり、私の身近な生活を支えてくれている企業であることもわかりますね。
身近な製品を扱う一流企業という感じですが、実は投資家的には、連続増配記録を有する米国っぽい株主に優しい名門というイメージもあるんです。
私も増配株は大好きなので、機会があれば花王株を買いたいなと思っているものの、もはや今となっては手が出せないくらいの株価で、気軽に買うってわけにはいきません。
しかし、これからも増配をきちんとしてくれる信頼できる会社であることは確かなので、今後、ボーナスなどまとまった金が入った時には考えてもいいかな〜と思っている株式銘柄です。
さてさて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、早速2020年12月期の花王の決算実績の分析および来期の経営成績について早速見ていきましょう!
花王 2020年12月期 通期業績
損益計算書
それでは、花王の2020年12月期の通期業績概況を見ていきましょう。
下記の通り、新型コロナウイルスの影響をかなり受けてしまい、売上高、営業利益、ROE全て前年比割れとなってしまいました。
しかし、花王の名物である増配はきちんと行い、増配伝説を引き続き継続する形となったのはさすがと言わざるを得ません。
営業利益1,756億円(前年比▲17.1%)
当期利益1,281億円(前年差▲14.8%)
ROE14.2%(前年差▲3.4%)
配当140円(前年差+10円)
ですが、増配はなんとか2020年12月期も達成したものの、やはり損益面での新型コロナウイルスの影響はやはりあったようです。
下記のように第3波の影響、国内化粧品市場の回復の想定外の遅れ、欧州での感染症再拡大による大規模なロックダウンの影響などがあって、直前の決算公表数字絵を下回る形での2020年12月期決算となってしまいました。
先ほど、国内化粧品市場の回復の想定外の遅れがあったと申し上げましたが、花王の前年および直前公表数字を下回る決算は事業セグメント的に何が問題であったか、
セグメントごとの業績について触れていきたいと思います。
下記の通り、5つの事業セグメントについての前年との営業利益差異をしましたのが下記右側の棒グラフです。
ご覧の通り、やはり化粧品セグメントが▲388億円と非常に大きなマイナスとなっていることがわかります。
花王の英具用利益は先ほど申し上げました通り、1,756億円で前年差▲360億円程度です。化粧品の営業利益前年差▲388億円というのはこの前者的なマイナスを位上回っているので、花王にとって2020年12月期決算は、化粧品事業の打撃が響いた決算と言えるでしょう。
国内では、在宅勤務の拡大を受けて、外出機会が減少したため、化粧品需要が減退したのは記憶に新しいです。
花王はその需要減をもろに受けてしまう形となったことがこの決算からわかります。
それでは次に事業セグメントではなく企業活動ベースの連結営業利益増減の分析へと参りましょう。
下記の通り、営業利益前年差▲362億円の大きな要因は、先ほど申し上げました通り、化粧品事業に代表される売上減です。
売上減▲670億円は非常に大きいですね。
一方、企業努力も2020年12月期はかなり進んで販売費及び一般管理費は+260億円のコスト改善が見受けられました。
また、コスト削減も+80億円と売上減で蒸発した営業利益を少しでも食いとめるべく、社内の経営努力が垣間見れます。
花王 2021年12月期 通期業績見通し
損益計算書
さて、それでは花王の2021年12月期の通期業績見通しを見ていきたいと思います!
花王の2021年12月期の業績予想は、
営業利益1,770億円(前年比+0.8%)
当期利益1,270億円(前年差+0.7%)
ROE13.7%
配当144円(前年差+4円)
昨年からの復活はあるものの、正直小幅な増益計画となっていることがわかります。
増配は引き続き継続する点から、プライドを感じます。
小幅な増益計画になっているのも下記の通り、やはり新型コロナウイルスの収束が不透明という理由が大きいようです。
テレワーク定着によるインバウンド回復が限定的であったり、中国市場以外の経済活動の本格的な回復がまだ先の見通しとなることから、コンシューマープロダクツ市場ではややリスクが懸念されております。
過去30年間にわたる連結業績と株価の推移
厳しい2021年12月期となるようですが、ここで一旦長期的な花王の企業成長を確認しておきましょう。
こちらは1989年からの約30年にわたっての花王の売上高、営業利益、株価の推移を示したものです。
株価は2012年あたりまで、営業利益が1,000億円台であったことから3,000円近辺に位置しておりましたが、ここ10年間で営業利益が1,500億円を突破して2,000億円台を推移するようになってからは届く株価は9,000円台に迫る勢いで高騰しました。
2020年12月期は営業利益が2,000億円を継続的に記録していた中での、2015年を下回るレベルでの減益となってしまい、これ自体は厳しいものでしたが、そこまで悲観する必要もないと思います。
というのも次のROEとEPSの推移です。
過去30年間にわたる連結業績と株価の推移
下記に過去10年間にわたる花王のROEとEPSの推移を示しました。
一株あたりの純利益であるEPSも、株主資本をどれだけ利益に結びつけたかを測るROEもどちらも右肩上がりで推移し、特にROEについては20%に迫る勢いで推移していることがわかります。
一般的な日本企業がROE20%に迫る数字を出すことは容易ではなく、花王がいかに高いレベルでの経営を行っていたかがわかります。
2020年12月期と来期は残念ながら踊り場と言うべきか若干お休み期間には入ってしまいますが、それでもROEは13%以上と悲観すべきではない数字を打ち出しているのはさすがと言わざるをえません。
2021年12月期 株主還元
次に、花王の代名詞とも言える株主還元について触れておきましょう。
このグラフをご覧いただければ、一発で花王がいかに株主を大切にし続けてきた企業であることがわかります。
31年間連続増配です。
はい、もう最強です。
2020年12月期と来期がパッとしないにも関わらず、増配するのは花王がいかに株主還元というのを最大の経営指標に置いているかがわかります。
また、配当金のみならず、自己株式取得も積極的に行っており、今まで通算5,938億円分もの取得を行なっております。
残念ながら現役に沈んだ2020年12月期は自己株式取得は発動しませんでしたが、花王が引き続き株主還元を最重要政策と位置付けていることは株主の立場からも安心できます。
まとめ
本日は、みんなが知っている有名企業、花王の決算分析を行いその報告をさせていただきました。
常勝軍団である花王であっても新型コロナウイルスの影響は甚大なもので、増配記録こそ続いたものの、損益は前年比割れ、自己株式取得も発動せずと厳しいものとなりました。
来期も新型コロナウイルスの回復次第で業績が左右される感じは否めませんが、今までの株主還元の政策姿勢から、株主となっても損することはないような会社であることだけは確かです。
花王はGood Companyです!
投資するもよし、就活生の方は是非とも受験してみることを強くお勧めします!
それではまたお会いしましょう!
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