花王は誰もが知っている大手化学メーカーですよね。
洗剤、トイレタリーで国内首位、化粧品は2位
化粧品・トイレタリー企業の市場シェアランキングは世界7位
誰もが知っている優良化学メーカーである花王に迫ります!
「消費者へ届きやすい形でいいものを届ける」想いは創立から100年経っても健在
1887年に、創業者である長瀬富郎が、洋小間物商・長瀬商店を設立したことから花王の歴史は始まります。
その3年後の1890年に国産の高級化粧石けん「花王石鹸」を発売しました。
当時は質の悪い国産石鹸か、高級な外国産輸入石鹸のどちらかしかない中、消費者に買い求めやすい価格で顔も洗える高品質な国産石けんをつくりたい想いからこれは生まれました。
この「消費者へ届きやすい形でいいものを届ける」という想いは現在の花王の事業へとと脈々と受け継がれております。
なお、ちなみに
当時、化粧石鹸は「顔洗い」を呼ばれており、より高級な品質を訴求するため、発音が「顔」に通じる「花王」と命名し、これが会社名にもなったのは有名な話ですね。
非常にバランスの取れた事業ポートフォリオ
下記は、2018年の花王の営業利益の事業ポートフォリオです。
ご覧の通り、ファブリック&ホームケア事業に多少厚みがあるものの、5つの事業がほぼバランスよく営業利益を上げており、バランスの取れた事業ポートフォリオになっております。

6年連続の増収増益 美しい右肩上がりの利益成長 営業利益率は10%超
それでは、花王の近年の経営成績を見ていきましょう。
9年連続増益、6年連続最高益更新、29年連続増配を達成
をまず達成しました。
一言、素晴らしいです!
中でも課題事業であった化粧品事業の好転がこの成績に大きく貢献しました。
カウンセリング化粧品の「SUQQU」や「RMK」、セルフ化粧品の「freeplus」や「キュレル」といった、新成長戦略の中の新ブランドの販売が大きく伸びたのがこの増益要因です。
また化粧品事業は中国を中心にアジアでの販売が伸びたのも一因です。
5つの事業ポートフォリオの中で一番伸び悩んでいた化粧品事業の伸びが、既存の4事業の収益に加わったことによりこのような増益という経営成績を残すことができました。
また、5年連続営業利益率10%超を達成しており、引き続き高付加価値創出企業として花王の今後のビジネスから目が離せません!
当期純利益もきちんと右肩上がりに増加しておりますので、今後の花王の経営成績にも期待できますね。
健全すぎる財政状態 現状非の打ち所無し
さて、続いては花王の財政状態を見てみましょう。
健全そのものですね、素晴らしいです。
自己資本比率は約55%程度を継続的に維持しております。
有利子負債倍率は驚異の0.2倍以下推移しており、健全で強固な財務基盤を構築していると言えます。

営業CS+、投資CF-、現金残高+!堅実なキャッシュマネジメント遂行中
さて、続いては花王のキャッシュ・フロー計算書を見てみましょう。
この項目も特段申し上げる点はございません。
営業キャッシュ・フローは、過去3年間プラスなので、きちんと稼いでいます。
投資キャッシュ・フローは、過去3年間マイナスなので、きちんと事業投資しております。
フリー・キャッシュ・フローは過去3年間プラスなので、きちんと稼いだ中から適切な投資を実行しております。
財務キャッシュ・フローは、過去3年間マイナスなので、借金などの負債をきちんて毎年返済しております。
現金等残高は過去3年間潤沢にあり、キャッシュ残高上も問題ございません。資金繰りの困難とは無縁です。
以上から、花王は極めて安定的なキャッシュ・フロー経営を実行しております。

決算期(億円) | 営業CF | 投資CF | フリーCF | 財務CF | 現金等残高 |
2016年 | 1,843 | -886 | 957 | -950 | 3,030 |
2017年 | 1,858 | -961 | 897 | -532 | 3,431 |
2018年 | 1,956 | -1,579 | 377 | -1,086 | 2,660 |
親会社の所有者に帰属する当期利益は毎年上昇中、配当還元策も評価できる
それでは次に、花王の資本政策について考察してみます。
親会社の所有者に帰属する当期利益は年々増加しておりきちんと株主資本を利益に変換していることが分かります。
また、冒頭で申し上げました通り、20年連続で増配をしている通り、配当金総額が年々増加しているのはもちろん、近年は隔年ごとに自己株式取得も積極的に行っております。
自己株式取得が実行されますと支柱流通株式数が減少しますので、1株当たりの株式価値は向上し、株価上昇のインセンティブになります。
花王は株主のことを第一に考えて経営をしてくれていることが分かります。
花王は本当にいい会社ですね。
29年連続増配を達成!隔年での自己株式取得 どの会社よりも株主を思いやる優良企業
ついにきました!株式配当の項目です。
まず、最初にこちらのグラフをご覧ください。
1988年から29年間、花王が一貫して増配を行ってきた軌跡を示す棒グラフです。
1988年って昭和ですよ。
平成時代を超えて、令和時代の今日まで、花王は一貫して株主を思う「増配」を続けてきた、日本企業では珍しい米国型の素晴らしい会社であることが分かります。
また、下図の通り、昨今は各年ペースで自己株式取得も積極的に行っており、株価を上げて、投資家の利益に資する政策を行っていることが分かります。
とにかくいい会社 割高とか関係なく資産株として「買い」一択!
花王の株価は2019年11月1日時点で8,740円となっています。
9年連続増益、6年連続最高益更新、29年連続増配を達成
を記録した企業にふさわしい株価ですね。
正直ここまで業績が良いと、割安とか割高とかそういう次元では花王の株価は分析できません。
一言、「良い企業は良い評価をもらっている」に尽きる株価です。
PERは現在26.84倍程度、PBRは5.12倍程度と、当然のごとく市場からはかなり高い評価を受けておりますので現在の株価は高いといっても過言ではないかと思います。
なお、配当利回りは1.43%となっています。

まとめ
花王は、正直、日本屈指の優良企業です。
業績、財政状態、キャッシュ・フロー、株主還元のどの項目を取ってみても一流です。
それ故、その結果にふさわしい株価となっております。
花王は、29年間連続増配です。
平成時代に一貫として増配に踏み切れた日本企業が他にあったでしょうか。
それを考えると、将来の経営に対しても高い期待ができますし、そう考えるのであれば、安定株として100株90万円は高くはないかもしれません。
皆様のポートフォリーの中に一銘柄くらい、伝統的日本企業の黄金銘柄を入れてみても面白いかもしれません。
ボーナス1回分くらい、こうに投資する価値は十分にあるかと思います。
最強優良企業「花王」をお勧めします!
当ブログさとり世代の株日記では、私がこれはイケるかも!?と思った企業の決算書を分析し今後の株価見通しについてのご報告をさせて頂いております🙇♀️
このようなファンダメンタル中心の企業分析ができるようになったのも、こちらの神図書2冊!!!があってのことです。
この本で財務分析に目覚めてから、、、、
この記事も書けるようになりましたし、自信を持って下記の記事にて財務会計について解説できるだけの実力がつきました!
是非ともオススメですので、財務会計を学んでから、ファンダメンタルを軸とした株式投資に挑戦して、令和時代を賢く堅実に資産形成を武器に勝ち残っていきましょう!!!
これでも難しい方は初心者用としてこちらがオススメです!!
今回もさとり世代の株日記をご覧くださり誠にありがとうございました🙇♀️
また次回の記事でお会いしましょうー!
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