こんにちは〜!ネオコンです😊
本日も「もし一度就職活動をしたらどの企業に入りたいか?」シリーズです!
是非とも入社してみたい超一流企業第4弾です!
過去には、富士フイルム、三菱地所、AGC(旧旭硝子)を紹介させて頂きました。
東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、大阪大学と超一流大学に所属する大学生が食品メーカーと聞いて一番に行きたいと思いつく企業、「味の素」について今日は報告させて頂きます!
コロナウイルス感染が広がる前ですら、人気が高かった味の素。
しかし、コロナウイルス感染が広がる中、鉄道や航空業界は大打撃を受けましたが、味の素は巣篭もり需要もあって業績を大きく躍進させたみたいです!
入りたい企業としても人気が高い!さらに業績も好調と聞けば味の素の魅力はますます高まるばかりです。
それでは早速、味の素の2021年3月期、および2022年3月期の通期見通しについて一緒に見てまいりましょう!
味の素 2021年3月期連結決算概況
損益計算書
それでは、2021年3月期の連結業績概況を見ていきましょう。
味の素の2021年3月度通期実績は、下記の通り、売上が減少するも、事業利益は堅調な伸びを見せ、当期利益に関しては前年比3倍を超える驚異の最終利益を叩き出し、サプライズ決算を引き起こしました!非常に素晴らしい決算だと思います!
売上10,714億円(前年差▲285億円)
事業利益1,131億円(前年差+138億円)
当期利益594億円(前年差+405億円)←前年比3倍!?
本業である事業利益以下の爆益は、実際の平常ビジネスとは違うのですが、理由は2点あるそうです。
・動物栄養事業の構造改革が予定通り進んだものの、昨年度に比べて減損損失が少なかった
・遊休資産の売却もあり大幅な増益となった
有形固定資産売却など特別なことがあったことがわかります。
ビジネスレベルで2021年3月期の躍進を分析してみる必要がありますので、次に事業利益ベースでの議論をいたしましょう。
FY20の事業利益の増減を、ウォーターフォールチャートで示したものです。
外食向けを中心に売上減少の影響を大きく受けGPのマイナスインパクトを受けつつも、調味料・食品と冷凍食品といった家庭用製品や化成品の増収効果や製品ミックスの改善によるGP増で補ったとあります。
そして、新型コロナウイルスの影響で出張等の旅費交通費の減少、マーケティング費用や物流費の減少が、増益に寄与したようです。
面白いのは、外食向けのGPが下がりつつも、巣篭もり需要に応じた家庭用製品の売上増でGPを上げ、製品ミックスなどマーケティング上の工夫を凝らした点です。(これでGPをプラスに転換させている点)
このような攻撃面と、コスト削減という守りの面が奏功して事業利益ベースでの増益を実現したようです。
また、事業セグメント毎に分析してみますと、巣篭もり需要と言えども調味料・食品・冷凍食品が売上ベースでは減収影響を受けつつも、先述した通りのGPの工夫で事業利益ベースだと増益となっております。
ヘルスケアは売上でも事業利益でも増益となっており、堅調な伸びが確認できます。
味の素が単なる食品企業というだけではなく環境に応じて柔軟に利益を創出できるポートフォリオの組まれた企業組織であることがわかります。
そして、エリア別に見てみますと、どのエリアであっても増益となっており全世界で堅調なビジネスを2021年3月期は展開できたと言えます。
以上で、味の素は2021年3月期は堅調なビジネスを展開することが確認できましたので、次に来期2022年3月期の業績予想を見ていきましょう!
味の素 2022年3月期 業績予想
損益計算書
さて、それでは味の素の2022年3月期の通期業績見通しを見ていきたいと思います!味の素の2022年3月期の業績予想は、
売上11,130億円(前年差+415億円)
事業利益1,150億円(前年差+18億円)
当期利益600億円(前年差+5億円)
というように、前年の2019年度比3倍増の爆益決算とはなりませんが、堅実に増益を毛企画していることがわかります。
当期利益が3倍に増加して、次の年減益しないというのは、このジャンプアップがまぐれではなかったということなので、たとえ小さな増益でも当期利益が600億円レベルで推移するのは好材料ですね。
それでは、本業の事業利益1,150億円を前年からの増減で詳細に見ていきましょう。
下記の通り、売上増やGP増というプラス要因がありつつも、着目すべきは販管費が▲234億円と重くのしかかり、結局、事業利益は1,150億円と前年差+19億円に留まるという利益計画を出しております。
この販管費の大きな費用は決してマイナスなことではなく、今後の味の素の経営をよくする観点で言えばむしろプラスです。
新事業、事業モデル変革等戦略投資増で60億円、マーケティング投資増で110億円と、今後、中期経営計画にて、無形資産への投資を加速させてDXなど新たなビジネスを創出するための布石、投資と捉えると、事業利益は見た目よりも増えていると理解すべきです。
重要経営指標
次に、重要経営指標について見ていきましょう。
2020年度決算の数字が良かったことから、全ての経営指標の値が改善しております。
特に着目すべきはROEとEPSです。
ROEについては、2020年度についに大台となる10%を達成しました。
そして、EPSについても100円を超える108.3円と株主資本を利益に結びつける体質に展開しつつある様子が見て取れます。
では、今後稼いだお金をどうやって、今後の利益成長に生かしていくのかの成長投資と、そして会社の最大の貢献者である株主に対する還元政策について見ていきましょう。
成長投資
下記の通り、2020年度〜2022年度の3カ年で累計4,000億円のキャッシュを創出することを計画しております。
そして、それらを、各種経営投資に2,900億円、株主還元に1,000億円使うとしております。
そして、中期経営計画にて保有資産を無形資産にシフトしていくことが打ち出されておりますので、有形固定資産2,100億円程度を、R&DやDX投資といった無形資産に組み替えていく方針も宣言されております。
まぁ、資産組み替えについては将来のキャッシュフローを産むために経営陣が合理的な組み替えを行ってくれれば良いとして、我々株主にとって大切なのは株主還元です。
次に株主還元について見ていきましょう!
株主還元
さて、味の素の株主還元政策について見てきましょう。
味の素の株主還元政策は、3ヵ年の総配当性向が50%目安で、単年度の総配当性向が40%を目処としております。
しかし、2020年度の配当42円と、来期2021年度の配当44円はいずれも配当性向39%となっており、微妙に目処となる配当性向40%に届きません。
ここに味の素の堅実さがあると言えばそれまでですが、正直、2020年度は前年比3倍の純利益を叩き出したのだから、もっと増配して喜びを株主とともに分かち合うみたいな粋な心が欲しいところではありました。
現在取り進めている無形資産を中心とした投資で将来キャッシュフローを稼げるのであれば、今のわずかな増配、宣言した総配当性向に満たない配当金も理解できるのですが、ここの部分は要改善かと思います。
最後に、味の素の中長期戦略について見ていきましょう。
中長期戦略
味の素はASV経営というものを進めております。
この会社の将来を思い描くに当たって、過去10年間を社員一人ひとりが振り返って見たところ、中期経営計画に対して未達であったことを深く反省したようです。
そこで。先ほど申し上げました通り、無形資産への投資を加速して新たなビジネスモデルを創造することに熱心となっており、この原資捻出のため、配当性向も渋い値を設定しているのです。
2025年度までに累計で380億円を創出する計画を打ち出しているのですから、多少配当性向が渋くても未来の利益としてリターンが帰ってくると信じて見守ろうと思います。
まとめ
最後に味の素の最新株価を確認してまとめとさせていただきます。
ここ5年間を見て見ても、味の素は現在非常に良い形で推移していると言えます。
2021年3月期に純利益前年比3倍を実現し、さらに来期はその上の600億円を目指す味の素に対するマーケットからの期待は高まるばかりという感じです。

PBRも2021年6月27日現在、2.34倍1株あたり純資産を2倍以上上回る価値が市場から与えられており、損益面のみならず、DXといった次世代投資にまで広げて事業を展開している味の素はまさに勢いに乗っている企業の一つといっていいでしょう。
今回は、東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、大阪大学と超一流大学に所属する大学生が食品メーカーと聞いて一番に行きたいと思いつく企業、「味の素」についてご報告させていただきました。
コロナ特需にも恵まれて、結果的には当初通りやはり”Good Company”でした!
就活生の方は是非とも受験してみることを強くお勧めします!
それではまたお会いしましょう!では!
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